元の命題に対して、逆・裏・対偶は以下のように表される。
元の命題 \(p\longrightarrow q\)
逆 \(q\longrightarrow p\)
裏 \(\overline{p}\longrightarrow \overline{q}\)
対偶 \(\overline{p}\longrightarrow \overline{q}\)
判断推理の対偶
対偶を確認する前に「命題とは?」から確認していきましょう!
命題とは
例)
① 富士山は大きい
富士山が大きいかどうかは、人によって感覚が違うので、
「正しいか正しくないかがはっきりしていない。」
よって、命題ではない。
② りんごは果物である
誰がどう見てもりんごは果物なので、
「正しいか正しくないかがはっきりしている。」
よって、命題である。
逆・裏・対偶
逆・裏・対偶は、元の命題の形を変更させたものである。
例)
元の命題:りんごであるならば、果物である。
逆 :果物であるならば、りんごである。
裏 :りんごでないならば、果物ではない。
対偶 :果物でないならば、りんごではない。
元の命題 → 逆への変形
(ならば)の両側を交換する。
元の命題 → 裏への変形
(ならば)の両側を否定する。
例)「である。」 → 「ではない。」
元の命題 → 対偶への変形
元の命題を逆(裏)にした後に、裏(逆)にする。
対偶を使用すると良い例
例)「ドラえもんには心臓がないのならばドラえもんは人間ではない。」
「心臓がない」、「人間ではない」という部分の指してる範囲は広い。
※ 心臓がないものも人間ではないものは大量にありますよね。
こういった場合は、対偶に変形するとわかりやすくなる場合があります。
<対偶に変形>
「ドラえもんは人間である。ならば、ドラえもんには心臓がある。」
人間には、心臓があるのでこの命題は真となる。
判断推理の対偶(問題)
以下の条件から論理的にいえることはどれか。
(ア)時計を買った人は化粧品を買った。
(イ)化粧品を買った人は本を買った。
(ウ)時計を買わなかった人は洋服を買った。
1 本を買った人は洋服を買わなかった。
2 時計を買わなかった人は本を買わなかった。
3 化粧品を買わなかった人は洋服を買わなかった。
4 時計を買った人は洋服を買わなかった。
5 本を買わなかった人は洋服を買った。
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(解説)
まずは \(3\) つの条件を論理式でまとめます。
(ア)時計 \(\longrightarrow\) 化粧品
(イ)化粧品 \(\longrightarrow\) 本
(ウ)\(\overline{時計}\) \(\longrightarrow\) 洋服
(ウ)だけ、他の条件と異なるのはわかるでしょうか?最初の \(2\) つは「〜を買った人は〜を買った」と書かれているのに対して、(ウ)は「〜を買わなかった人は〜を買った」と書かれています。書き方が他と違う場合は対偶を利用して整理してみましょう!
(ウ)を対偶の「\(\overline{洋服}\) \(\longrightarrow\) 時計」にして \(1\) つにまとめると以下のようになる。
\(\overline{洋服}\) \(\longrightarrow\) 時計 \(\longrightarrow\) 化粧品 \(\longrightarrow\) 本
(ウ)を対偶にすることで、
「(ウ)→(ア)→(イ)」
という流れができ、
\(\overline{洋服}\) \(\longrightarrow\) 本
という新しい論理式がでてきました。このままだと選択肢にありませんがここからさらに対偶にしてみると、
\(\overline{本}\) \(\longrightarrow\) 洋服
以上より、正答は \(5\) である。
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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