分数式の計算
部分分数分解
※通分の逆
こういう分数を部分分数と呼びますが、この計算は数列分野のシグマの計算の中で比較的出現してきます。
では、具体的な問題を見ていきましょう。
分数式の和(問題)
次の式を計算しなさい。
(
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分数式の和(答案の例)
(
(
分数式の和(解説)
(
部分分数の計算では、分母がある規則性をもった因数たちで因数分解されているケースがほとんどです。
今回は、
具体的な計算方法ですが、
つまり、
のように、因数分解に使われている因数たちをそれぞれ分母にして、
こうすることのメリットは、後半に式についても同じように分解するとなんとなくわかります。
となるため、結果的にこれらの和を考えると、
これにより、
を得るわけです。
答えとしてはこれで終わりなのですが、問題は、勝手に分母を分解して分数の引き算を作ってしまっていいのか、という点です。
仮に、
と分解しようとした場合、右辺を通分して分子の和を考えたとき、左辺と等しくなれば等号が成り立ちます。
よって、一度右辺を通分してみると、
となり、左辺に戻りますね。つまりこの分解は成立しているということになります。
逆に、分解して等号が成立しないものはあるのでしょうか?
例えば、
のように分解していいのでしょうか?
右辺を通分してみます。
このように、通分してみると、左辺とイコールになりません。
しかし、この結果に
とすれば、この等式は成り立つことになるはずです。
こういった手順で、うまく分解できる形を探して、分数の引き算にもっていくのです。
(
まず、(
のように分解します。
ここで
となり、
これにより、残るのは一番最初の項である
という結果を得ます。
このように、部分分数分解を用いると、シグマの計算において、途中の数が連鎖的に相殺されるケースが多々あるので、非常に便利です。
ぜひ、使いこなせるようになっておくと良いでしょう。
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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私自身、数学が得意になれたのはただ運が良かったんだと思っています。たまたま親が通塾させることに積極的だったり、友達が入るって理由でそろばんに入れたり、他の科目が壊滅的だったおかげで数学が(相対的に)得意だと勘違いできたり。
”たまたま”得意になれたこの恩を、今数学の学習に困っている人に還元できたらなと思っています。お金は取りません。できる限り(何百人から連絡が来たら難しいかもですが…)真摯に向き合おうと思っていますのでオアシスだと思ってご連絡ください。