メニュー
統計学の基礎の「キ」を知りたい方へ
1.
→統計の考え方を学びたい方向け

2.
→ビジネスでのデータ分析プロジェクトの流れを知りたい方向け
統計学を本格的に学びたい方へ〉
1.
→困ったときに引く統計学の辞書

2.
→5年間分の過去問が収録されています。

カテゴリー
yu-to
ブログ運営
本ブログを運営しているyu-toと申します。

高校数学の解説や公務員試験問題の解説、データサイエンスについての記事を書いていきます!

「データサイエンス×教育」に興味があり、日々勉学に励んでいます。

少しでも役に立つ情報の発信をしていきますのでぜひ読んでください。

また、同志からのお声がけはとても励みになります。ぜひ、コメントやメール、SNS等でご連絡ください!
LINE無料相談こちらをクリック

【平方根】平方根と式の値

  • URLをコピーしました!
目次

平方根と式の値

今回は平方根が含まれた式の値の問題を扱っていきます。式の値と言っても、問題のパターンはたくさんあるのですが、今回は以下の二つの特徴をもった問題を扱います。

 ① 代入する値が複雑になっているもの
 ② 代入する値の中に文字が含まれているもの

②は例えば、 「\(x=a\) 、 \(a=1\) のとき、\(\sqrt{x^2+a}\)の値を求めなさい。」などです。

では、実際に見ていきましょう。

平方根と式の値(問題)

次の式の値を求めなさい。

(\(1\))\(x=\displaystyle \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}}\)、\(y=\displaystyle \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}}\) のときの \(5x^2+7xy+5y^2\) の値

(\(2\))\(x=a^2+1\)、\(a=\sqrt{3}-1\) のときの \(\sqrt{x+2a}+\sqrt{x-2a}\) の値

答案の例

(\(1\))

\begin{eqnarray} x+y &=& \displaystyle \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}} + \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}}\\ &=& \displaystyle \frac{(\sqrt{5}-\sqrt{3})^2}{2} + \frac{(\sqrt{5}+\sqrt{3})^2}{2}\\ &=& 8 \end{eqnarray} \begin{eqnarray} xy &=& \displaystyle \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}} \times \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}}\\ &=& 1 \end{eqnarray}

よって、

\begin{eqnarray} 5x^2+7xy+5y^2 &=& 5\bigl\{ (x+y)^2-2xy \bigr\}+7xy\\ &=& 5(x+y)^2-3xy\\ &=& 5 \times 8^2-3 \times 1\\ &=& 317 \end{eqnarray}

(\(2\))

\begin{eqnarray} \sqrt{x+2a}+\sqrt{x-2a} &=& \sqrt{a^2+1+2a}+\sqrt{a^2+1-2a}\\ &=& \sqrt{(a+1)^2}+\sqrt{(a-1)^2}\\ &=& \sqrt{(\sqrt{3})^2}+\sqrt{(\sqrt{3}-2)^2} \end{eqnarray}

\(\sqrt{3}-2<0\) により、\(\sqrt{3}-\sqrt{3}+2=2\)

解説

(\(1\)) 

代入する値(今回であれば \(x\) と \(y\) )について、 \(x+y\) と \(xy\) のことを基本対称式と言いますが、これらを考えることがまず第一ステップとなります。

式の値を求める問題で、代入する値が \(2\) 種類や \(3\) 種類ある場合は、大抵それらは似た見た目になっている可能性が高いです。今回も、 \(x\) と \(y\) は分子と分母を入れ替えただけですね。

これも、基本対称式を使う合図の一つです。

さて、今回の場合で基本対称式を考えると、まず \(x+y\) についてですが、

$$x+y=\displaystyle \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}} + \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}}$$

ここで、分母のルートを外すため、前半は \(\sqrt{5}-\sqrt{3}\) 、後半は \(\sqrt{5}+\sqrt{3}\) を分母にかけます。

分母にかけるものは分子にもかけないと値が変わってしまうので、つまり、

\(x+y=\displaystyle \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}} \times \frac{\sqrt{5}-\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}} + \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}-\sqrt{3}} \times \frac{\sqrt{5}+\sqrt{3}}{\sqrt{5}+\sqrt{3}}\)
  \(=\displaystyle \frac{(\sqrt{5}-\sqrt{3})^2}{5-3} + \frac{(\sqrt{5}+\sqrt{3})^2}{5-3}\)
  \(=\displaystyle \frac{5-2\sqrt{15}+3}{2} + \frac{5+2\sqrt{15}+3}{2}\)
  \(=\displaystyle \frac{16}{2}\)
  \(=8\)

次に \(xy\) について計算しますが、分子と分母を入れ替えただけの数をかけるので、きれいに約分されて \(1\) になります。

これにより、あとはもとの式を \(x+y\) と \(xy\) を使って表し、先程求めた値を代入すれば終わりとなります。

よって、

 \(5x^2+7xy+5y^2\)
 \(=5\bigl\{ (x+y)^2-2xy \bigr\}+7xy\)
 \(=5(x+y)^2-3xy\)
 \(=5 \times 8^2-3 \times 1\)
 \(=317\)

< \(x+y\) と \(xy\) の作り方>
基本的に、上の例でみれば、\(+7xy\) はすでに \(xy\) を使って表されているので、ふれる必要はないわけです。つまり、\(5x^2+5y^2\) をどうにかして \(x+y\) と \(xy\) で表したいのですが、こういうときは、 \((x+y)^2\) を作るように式を見てみます。

つまり、
 \(5x^2+5y^2\)
\(=5(x^2+y^2)\)
\(=5\bigl\{ (x+y)^2-2xy \bigr\}\)
となるわけです。

変形の仕方としてよく出てくる「 \(x^2+y^2=(x+y)^2-2xy」は、 \(x+y\) と \(xy\) を生成するのにはとても便利です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、この変形を頭に入れておくだけで、多くの問題に対応できるでしょう。

(\(2\))

今回は対称式の形ではないので、純粋に代入して解くのですが、(\(1\))とは違う罠があるので、一緒に考えていきましょう。

とりあえず代入すると、以下のようになるはずです。

 \(\sqrt{x+2a}+\sqrt{x-2a}\)
\(=\sqrt{a^2+1+2a}+\sqrt{a^2+1-2a}\)
\(=\sqrt{(a+1)^2}+\sqrt{(a-1)^2}\)
\(=\sqrt{(\sqrt{3})^2}+\sqrt{(\sqrt{3}-2)^2}\)

まずは \(x\) を代入し、次に \(a\) を代入しました。 \(3\) 行目で因数分解しているのは、ルートを外すためです。また同時に、この後の作業で罠を見つけやすくするためでもあります。

さて、ここからですが、ルートの中の数に着目します。
一般的に、例えば \(\sqrt{3^2}\) などの場合、 \(2\) 乗ができているのでルートの外に出すことができ(ルートを外すことができ)、 \(3\) となるはずです。しかし、 \(\sqrt{(-3)^2}\) であれば、そのままルートの外に出して \(-3\) とはできないはずですね。

実数の範囲では、ルートの値は正の数でなければならない」

上記の例では、
  \(\sqrt{(-3)^2}=-3\)
のようになり、ルートの値(左辺)とマイナスの値(右辺)が等しくなってしまうため、この変形は間違っているという結果になります。

\((-3)^2\) のように、そのままルートを外すとマイナスの値になってしまう場合には、一回 \(2\) 乗を計算し、 \(9\) としてから、 \(3^2\) のように戻してルートの外に出すことで、 \(3\) という結果を得ます。

つまり、ルートの値を正の数にするためには、ルートの中も正の数にしなければならないのです。

つまり、ルートの中身が \(2\) 乗の形で表されていても、 \(2\) 乗の中身が正の数でなければそのまま外すことはできず、仮に負の数だった場合は \(2\) 乗の中身に \(-1\) をかけてから、ルートとともに \(2\) 乗を外します。

〈ルートの中身が正の数〉

 \(\sqrt{3^2}=3\)

〈ルートの中身が負の数〉

 \(\sqrt{(-3)^2}=\sqrt{3^2}=3\)

ここで、今回の問題を考えてみましょう。

\(\sqrt{(\sqrt{3})^2}\) は、 \(2\) 乗の中身が \(\sqrt{3}\) という正の数なので、そのまま外して \(\sqrt{3}\) となりますが、後半の \(\sqrt{(\sqrt{3}-2)^2}\) に関しては、\(\sqrt{3}-2\) が負の数のため、
  \(\sqrt{(\sqrt{3}-2)^2}\)
 \(=\sqrt{(2-\sqrt{3})^2}\)
 \(=2-\sqrt{3}\)

となるわけです。

あとは、これらの和を考え、\(\sqrt{3}+2-\sqrt{3}=2\) が答えとなります。

おわりに

さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!

「30分で集中力が切れてしまう方へ」

勉強の集中力UPのために

子供に集中して宿題をさせるために

会議やプレゼンのタイムマネジメントのために

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

質問や感想はコメントへ!

コメントする

目次