根号が含まれる不等式の証明では、 乗を疑え
今回は不等式の証明を取り扱いますが、不等式に根号、つまりルートが含まれるものを紹介します!
根号は
この特徴を使い、計算が面倒なルートをなるべく消去しながら証明を進めていくのが基本的な流れになります。
では、実際に問題を見ていきましょう。

不等式の証明(問題)
次の不等式を証明しなさい。また、等号が成り立つのはどのような場合か調べなさい。ただし、(
(
(
>>詳細はこちらから
答案の例
(
等号成立は、
したがって、
これにより、
この際の等号成立も
(
よって、
解説
(
まず、ルートが入っていると、大小関係が判断しにくいため、前述した通り、
ここで大事なことは、
この理由は、例えば
この両辺は正の数なので、
しかし例えば
ちなみに、両辺が負の数の場合でも、不等号の向きが変わります。
このように、
今回の不等式の左辺、
なので、
また、右辺の
これによって、両辺が正の数なので、
つまり、
の両辺を
のように、不等号が変化しないということです。
①ではルートが多く入っていて示しにくいため、ここからは②を示す方向で進めていきます。
②を示すことができれば、自然と①も示したことになるのです。
②について、
ここで、
さて、ここでも
今回は、前述した通り、
よって、④の方が大きいことがわかります。これにより、③において、
つまり、
手順が長くて面倒に感じますが、使っている知識は少ないので、
模範解答にあるように、
という式変形によって、不等式を証明してもいいですが、この式変形が思いつきにくいため、
また、等号成立については、
よって、
(
今回もルートが入っているため、
ただ、
結局どっちが大きいのかわからないですね。
上記のことは、次の
① 整数と根号が付いた数が含まれている
② 正の数と負の数がどちらも含まれている
これらを一つひとつ解決していきます。
まずは②に着目しましょう。負の数となっている
ここがプラスになれば、負の数が混ざることはなくなります。
そこで、そのまま
つまり、示すべき不等式は、
よって、
ここで、
今回は、式変形してから
また、
これにより、
つまり、
これにより、元の不等式、
ルートが入ると、途端に難しく感じますが、自分の都合のいいように式変形して、証明を進めればいいのです。
数学は、正しいことを行うというより、間違ったことを行わないという意識の方が大切です。
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
『統計の扉』で書いている記事
- 高校数学の解説
- 公務員試験の数学
- 統計学(統計検定2級レベル)
ぜひご覧ください!
数学でお困りの方は、コメントやXでご連絡ください。(Xはこちら)
私自身、数学が得意になれたのはただ運が良かったんだと思っています。たまたま親が通塾させることに積極的だったり、友達が入るって理由でそろばんに入れたり、他の科目が壊滅的だったおかげで数学が(相対的に)得意だと勘違いできたり。
”たまたま”得意になれたこの恩を、今数学の学習に困っている人に還元できたらなと思っています。お金は取りません。できる限り(何百人から連絡が来たら難しいかもですが…)真摯に向き合おうと思っていますのでオアシスだと思ってご連絡ください。