メニュー
yu-to
管理者
本ブログを運営しているyu-toと申します。

高校数学の解説や公務員試験問題の解説、データサイエンスについての記事を書いていきます!

「データサイエンス×教育」に興味があり、日々勉学に励んでいます。

少しでも役に立つ情報の発信をしていきますのでぜひ読んでください。

また、同志からのお声がけはとても励みになります。ぜひ、コメントやメール、SNS等でご連絡ください!
カテゴリー

【微分法の応用】平均値の定理

  • URLをコピーしました!

平均値の定理

① ロルの定理

関数 f(x) が閉区間 [a, b] で連続、開区間 (a, b) で微分可能で f(a)=f(b) ならば

 f(c)=0, a<c<b

を満たす実数 c が存在する。

図形的に説明すると、

「区間 axb で、関数 y=f(x) のグラフがひとつながりの滑らかな曲線(関数 f(x) が連続かつ微分可能)であって、f(a)=f(b) であれば、点 (c, f(c)) [a<c<b]における接線が x 軸と平行になるような実数 c が少なくとも 1 つ存在する」

ということです。もっと簡単に言えば、

「グラフが曲線 (直線でない) のとき a<x<b において、f(a)=f(b) ならば、その間で絶対に凹凸があり、その凹凸で微分ができて f(c)=0 となる c が存在する。」

という意味になります。上の図のように、条件を満たす接点が何個あるかわかりませんが、少なくとも 1 個は存在することを保証する定理です。

ロルの定理の証明

[1] f(x) が定数のとき

 常に f(x)=0 であるから、明らかに定理は成り立つ。

[2] f(x) が定数でないとき

f(x) は閉区間 [a, b] で連続であるから、最大値・最小値の定理により、この区間で最大値と最小値をもつ。

(ア)f(a) が最大値でないとき、最大値をとる点の x 座標を c とすると、a<c<b であるから、a<c<Δx<b を満たす Δx に対して f(c+Δx)f(c) となる。ゆえに、

 Δx>0 のとき 

  f(c+Δx)f(c)Δx0

 Δx<0 のとき

  f(c+Δx)f(c)Δx0

f(x)x=c で微分可能であるから

 limΔx0f(c+Δx)f(c)Δx=f(c)

① より f(c)0
② より f(c)0

したがって f(c)=0

(イ)f(a) が最大値であるとき、最小値をとる点を c とすると、

a<c<b であるから、(ア)と同様に f(c)=0 となる。

[1], [2] から、ロルの定理が成り立つ。

② 平均値の定理

[1] 関数 f(x) が閉区間 [a, b] で連続、開区間 (a, b) で微分可能ならば

 f(b)f(a)ba=f(c), a<c<b A

を満たす実数 c が存在する。

[2] 関数 f(x) が閉区間 [a, a+h] で連続、開区間 (a, a+h) で微分可能ならば

 f(a+h)=f(a)+hf(a+θh), 0<θ<1

を満たす実数 θ が存在する。

前ページのロルの定理で、条件 f(a)=f(b) がない場合についての定理である。つまり、ロルの定理は平均値の定理の特別な場合である。

平均値の定理の証明

k=f(b)f(a)ba ①、F(x)=f(x)k(xa) とする。

閉区間 [a, b] で、f(x) も連続であり、開区間 (a, b) で、f(x) が微分可能であるとき、F(x) も微分可能である。

 F(a)=f(a),

 F(b)=f(b)f(b)f(a)ba(ba)=f(a)

であるから F(b)=F(a)

また F(x)=f(x)k

ここで、関数 F(x) について、ロルの定理により

 F(c)=0, a<c<b

を満たす実数 c が存在する。

F(c)=0 から f(c)k=0 すなわち f(c)=k

よって、① から

 f(c)=f(b)f(a)ba, a<c<a

を満たす実数 c が存在する。

平均値の定理(問題)

(1) f(x)=2x と区間 [1, 4] について、平均値の定理の条件を満たす c の値を求めよ。

(2) f(x)=logx と 区間[1, e] について、平均値の定理を満たす c の値を求めよ。

平均値の定理(解説)

平均値の定理を用いるためには、条件である微分可能性と連続であることを確認する必要があります。グラフの概形を想像すると自明であるが念の為に断っておこう。また、「微分可能性であれば、連続である」ため微分可能性だけ断れば十分です。

(1)

f(x) は区間 (1, 4) で微分可能で

 f(x)=1x

平均値の定理 f(4)f(1)41=f(c) を満たす c の値は、

423=1c から c=32

ゆえに c=94

これは 1<c<4 を満たすから、求める c の値である。

(2)

f(x) は区間 (1, e) で微分可能で

 f(x)=1x

平均値の定理 f(e)f(1)e1=f(c) を満たす c の値は、

10e1=1c から c=e1e=2.7

これは 1<c<e を満たすから、求める c の値である。

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

『統計の扉』で書いている記事

  • 高校数学の解説
  • 公務員試験の数学
  • 統計学(統計検定2級レベル)

ぜひご覧ください!

数学でお困りの方は、コメントやXでご連絡ください。(Xはこちら

私自身、数学が得意になれたのはただ運が良かったんだと思っています。たまたま親が通塾させることに積極的だったり、友達が入るって理由でそろばんに入れたり、他の科目が壊滅的だったおかげで数学が(相対的に)得意だと勘違いできたり。

”たまたま”得意になれたこの恩を、今数学の学習に困っている人に還元できたらなと思っています。お金は取りません。できる限り(何百人から連絡が来たら難しいかもですが…)真摯に向き合おうと思っていますのでオアシスだと思ってご連絡ください。

  • URLをコピーしました!