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【式と証明】『恒等式』未定係数法の基本

目次

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未定係数法

今回は恒等式について紹介します!

恒等式とは、含まれている文字にどのような値を代入しても、その等式の両辺の値が存在する限り常に成り立つ等式のことを指します。

大抵、「 \(x\) についての恒等式」のような文言が問題文に含まれており、例えばこの場合であれば、 \(x\) にどのような値を代入しても、等式が常に成り立つ方程式である、という意味となります。

何はともあれ、具体的な問題を見ていきましょう。

未定係数法(問題)

\(x^2+2x-1=a(x+1)+bx+cx^2\) が \(x\) についての恒等式であるとき、 \(a\) 、 \(b\) 、 \(c\) の値を求めなさい。

答案の例

解法 \(1\)

右辺を整理し、
\(x^2+2x-1=cx^2+(a+b)x+a\)

これが \(x\) についての恒等式になるので、係数を比較し、

\(1=c\) 、 \(2=a+b\) 、 \(-1=a\)

これを解き、 \(a=-1\) 、 \(b=3\) 、 \(c=1\)

解法 \(2\)

与式は \(x\) に関する恒等式であることから、 \(x\) に任意の値を代入しても成り立つ。

\(x=0,-1,1\) を代入し、
  \(-1=a\)
  \(-2=-b+c\)
  \(2=2a+b+c\)

これらを解き、\(a=-1\) 、 \(b=3\) 、 \(c=1\)

このとき、(右辺) \(=-(x+1)+3x+x^2=x^2+2x-1\) となり、与式は恒等式である。
これにより、\(a=-1\) 、 \(b=3\) 、 \(c=1\)

解説

解法 \(1\) 

まずは、比較的思いつきやすい方の解き方を紹介します。

恒等式とは、平たく言えば「右辺と左辺が全く同じになる式」ということです。
よって、左辺と右辺がまったく同じになるように、係数を決定すればいいのです。ただそれだけ(笑)

式を整理して次数の高い順に並べ替えると、
\(x^2+2x-1=a(x+1)+bx+cx^2\)
\(x^2+2x-1=ax+a+bx+cx^2\)
\(x^2+2x-1=cx^2+(a+b)x+a\)

この式の左辺と右辺の比較により、
\(a=-1\) 、 \(b=3\) 、 \(c=1\)
となります。割と簡単ですね。

解法 \(2\) 

次に、別の解き方を紹介します。

恒等式の、「どんな値を代入しても成り立つ」という部分を活用します。

何を入れても成り立つ(等式として成立する)ということは、こちらが好きな値を \(x\) に代入しても式が成立するということですね。
なら、我々が扱いやすい好きな値を代入してみましょう。

扱いやすい数の筆頭はおそらく、 \(0\) だと思います。
次に、数の小さいものから考え、 \(1\) と \(-1\) を代入しました。

なぜ \(3\) 種類代入したかというと、知りたい文字が \(3\) 種類あったからですね。

一般的な \(1\) 次方程式は、
  \(x+1=5\)
のような形をしていますね。これはこの式 \(1\) 本で解くことができるのはお分かりかと思います。
つまり、未知数が \(1\) つならば、式は \(1\) 本で解けるわけです。

\(2\) 次方程式は、
  \(x+y=2\)
のような形です。これは、 \(x\) の値によって \(y\) の答えが無数に存在するため、 \(1\) 本では解を \(1\) 通りに定めることができません。
そこで、
 \(\begin{cases} x+y=2\\
x-y=4 \end{cases}\)
のように、式を \(2\) 本用意して、解を \(1\) 通りに定めます。
つまり、未知数が \(2\) つならば、式も \(2\) 本、ということです。

この流れで、 \(3\) つの未知数がある場合は、式は \(3\) 本必要なので、 \(3\) 種類の値を代入して式を \(3\) 本用意したのです。

実際に、\(x=0,-1,1\) を代入すると、
  \(-1=a\)
  \(-2=-b+c\)
  \(2=2a+b+c\)
と、非常に単純な式が出てきます。

\(1\) 本目の式で、 \(a=-1\) がわかるので、\(3\) 本目の式に代入したのち、 \(2,3\) 本目で連立させれば、
 \(a=-1\) 、 \(b=3\) 、 \(c=1\)
が出てきますね。

しかしこの解法で注意しなければならないのは、具体数を使って答えを求めているという点です。

具体数を使ってしまうと、出てきた答えが本当に問題に適しているかどうかを確かめるくだりが必ず入ります。

そこで、今回出した答えが本当に問題に適しているかどうかを確かめるべく、もとの恒等式に値を代入してみます。
 (右辺) \(=-(x+1)+3x+x^2=x^2+2x-1\)
により、ちゃんと左辺と右辺が等しくなっていることがわかりますね。つまり、この答えは合っていたことになるわけです。

話は若干逸れましたが、恒等式を解く際は、この \(2\) 種類の方法で解くのがよく、扱う難易度に差はないため、好きな手法を選ぶと良いでしょう。

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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