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【数列】『等差数列』等差中項

目次

データアナリストへの道

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等差中項

今回は、第 \(n\) 項や特定の項間の和に関する情報ではなく、ある数列のある区間における和や積に関する条件が与えられているパターンの等差数列の問題です。

前回までと違い、公式に頼って式を作ることができない問題です。

実際に見ていきましょう。

等差中項(問題)

等差数列をなす \(3\) 数があって、その和は \(27\) 、積は \(693\) である。

この \(3\) 数を求めよ。

答案の例

<解き方Ⅰ>

公差を \(d\) とし、この等差数列をなす \(3\) 数を \(x-d\)、 \(x\) 、  \(x+d\) とすると、

\((x-d)+x+(x+d)=27\) \(\cdots\) ①

\((x-d)x(x+d)=693\) \(\cdots\) ②

①より、\(x=9\) 。これを②に代入し、

\((9-d)(9+d)=77\)

\(\longrightarrow\)  \(-d^2=-4\)

\(\longrightarrow\)  \(d=2\)、 \(d=-2\)

つまり、

\(d=2\) のとき、もとの \(3\) 数の並びは、\(7 ,9 ,11\)

\(d=-2\) のとき、もとの \(3\) 数の並びは、\(11 ,9 ,7\)

よって、求める \(3\) 数は、\(7\) 、\(9\)、\(11\)

<解き方Ⅱ>

等差数列をなす \(3\) 数を \(x\) 、\(y\)、\(z\) とすると、\(2y=x+z\) \(\cdots\) ①

また、\(x+y+z=27\) \(\cdots\) ②、\(xyz=693\) \(\cdots\) ③ である。

まず、①を②に代入し、

\(3y=27\)

\(\longrightarrow\)  \(y=9\) \(\cdots\) ④

次に④を②と③に代入し、

\(x+z=18\)、\(xz=77\)

\(2\) 式の連立方程式より、\(x=7\)、\(z=11\) もしくは \(x=11\)、\(z=7\)

これにより、もとの \(3\) 数の並びは、\(7 ,9 ,11\) もしくは \(11 ,9 ,7\)

よって、求める \(3\) 数は、\(7\) 、\(9\)、\(11\)

解説

今回の問題は、冒頭でも触れている通り、公式に頼ることができない問題となっています。

実際、和や積に関する情報は与えられているものの、具体的にどこからどこまでの和や積なのかがわからないのです。

これでは公式が使えませんね。しかし、今回の和や積が、等差数列に関するものであるということを武器にして、解いていくことができます。

この問題では、代表的な解き方が \(2\) 種類ありますので、 \(2\) つの解き方を紹介します。

<解き方Ⅰ>

こちらの解き方は、公差に着目して \(3\) 数を定めていきます。数列のある数を \(x\) 、公差を\(d\) とするとき、\(3\) 数を

\(x-d\)、\(x\)、\(x+d\)

と定めることができますね。

この \(3\) 数で、問題の条件を使って式を立てていきます。すなわち、和が \(27\) 、\(693\) なので、

\((x-d)+x+(x+d)=27\) \(\cdots\) ①

\((x-d) \times x \times (x+d)=693\) \(\cdots\) ②

となります。①より、 \(d\) が削除され、\(3x=27\) \(\longrightarrow\) \(x=9\)

これを②に代入し、

\((9-d) \times 9 \times (9+d)=693\)

\((9-d)(9+d)=77\)

\(81-d^2=77\)

\(-d^2=-4\)

\(d=2\)、\(d=-2\)

となりますね。つまり \(3\) 数の並びは、

\(d=2\) の場合、\(7 ,9 ,11\)

\(d=-2\) の場合、\(11 ,9 ,7\)

のどちらかということになるので、求める \(3\) 数は、\(7\) 、\(9\)、\(11\) です。

<解き方Ⅱ>

こちらの解き方は、 \(3\) 数が等差数列であることをうまく使っていきます。

等差数列になっている \(3\) 数の具体例をいくつか並べてみると、

\(1 ,5 ,9\)

\(4 ,6 ,8\)

などがありますね。これらの数の並びには、真ん中の数の \(2\) 倍が最初と最後の数の和と等しくなっているという共通する特徴があります。実際、

\(5 \times 2=1+9\)

\(6 \times 2=4+8\)

という等式が成り立つことがわかります。

よって、求める \(3\) 数をそれぞれ \(x\) 、\(y\) 、\(z\) とすると、\(y \times 2=x+z\) という関係式が成り立ちます。

次に、問題の条件による式を作り、

\(x+y+z=27\)

\(xyz=693\)

となりますね。あとはこの \(3\) 式をうまく解いていけば答えとなります。

まず、 \(x+z=2y\) を利用し、\(x+y+z=27\) を変形し、

\(2y+y=27\) \(\longrightarrow\) \(3y=27\) \(\longrightarrow\) \(y=9\)

となります。\(y=9\) を\(x+z=2y\) と \(xyz=693\) に代入し、

\(x+z=18\) \(\cdots\) ①

\(xz=77\) \(\cdots\) ②

①より、\(z=18-x\) なので、これを②に代入し、

\(x(18-x)=77\)

\(-x^2+18x=77\)

\(-x^2+18x-77=0\)

\(x^2-18x+77=0\)

\((x-7)(x-11)=0\)

\(x=7\)、\(x=11\)

となります。\(x=7\) のときは \(z=18-x\) より \(z=11\) 、\(x=11\) のときは \(z=7\) なので、求める \(3\) 数は

\(7\) 、\(9\)、\(11\)

となります。

問題によっては、

「平方の和が \(\cdots\)」、「\(4\) 数の真ん中の \(2\) 数の積が \(\cdots\)」

のように、様々な条件の書かれ方があります。状況に応じて、条件に合った式を作っていきましょう。

また、今回の問題では<解き方Ⅱ>のような少し特殊な式を作って解くことも可能でしたが、基本的に万能なのは<解き方Ⅰ>の方です。

求める数が \(4\) つ、 \(5\) つになったとしても、

 \(x-d\)、\(x\)、\(x+d\)、\(x+2d\)

 \(x-2d\)、\(x-d\)、\(x\)、\(x+d\)、\(x+2d\)

のように、\(x\) と \(d\) だけで表せるためです。

しかし、いろいろな解き方を知っておくことは武器になるので、ぜひどちらも扱えるようにしていきましょう。

おわりに

今回は、第 \(n\) 項や特定の項間の和に関する情報ではなく、ある数列のある区間における和や積に関する条件が与えられているパターンの等差数列の問題でした。

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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