最大公約数と最小公倍数
今回は、ある \(2\) つの自然数について、最大公約数と最小公倍数を求める問題です。
基本的にこの内容自体は中学校 \(1\) 年生の内容ですが、なかなか理解するのが難しいと感じる人が多いです。考え方はそこまで難しくないので、問題を通して一つひとつ見ていきましょう。
<最大公約数>
最大公約数とは、その名の通り、\(2\) つの数に関してお互いに割れる数の中で、最も大きいものを指しますね。
<最小公倍数>
最小公倍数とは、お互いに数を倍にしていったときに最初に一致する数のことを指しますね。
問題
\(60\) と \(72\) の最大公約数と最小公倍数を求めなさい。
答案の例
\(60=2^2 \times 3 \times 5\)
\(72=2^3 \times 3^2\)
つまり、最大公約数は \(2^2 \times 3=12\)、最小公倍数は \(2^3 \times 3^2 \times 5=360\)
解説
答案が少なすぎて、これだけではどうやって求めているのかがわかりにくいかと思います。
一つひとつ見ていきましょう。
<最大公約数>
最大公約数とは、その名の通り、\(2\) つの数に関してお互いに割れる数の中で、最も大きいものを指しますね。
約数を見つけるためには、素因数分解が役に立ちますので、一度 \(60\) と \(72\) を素因数分解すると、
\(60=2^2 \times 3 \times 5\)
\(72=2^3 \times 3^2\)
となります。この中で、お互いに割れる数を一つずつ探していきます。それはつまり、お互いに共通している素数を見つける作業に等しいことになります。よって、 \(2\) が \(2\) つ、 \(3\) が \(1\) つですね。これらで同時に割った時が、最も大きい数で割ったことになるため、
\(2^2 \times 3=12\)
<最小公倍数>
最小公倍数とは、お互いに数を倍にしていったときに最初に一致する数のことを指しますね。
この、お互いに一致する最初の数という特徴に着目しましょう。素因数分解した数について、最低限の数を補って \(2\) 数を等しくしてみましょう。
今回の \(2\) 数を見比べてみると、
\(60=2^2 \times 3 \times 5\)
\(72=2^3 \times 3^2\)
素因数分解の結果を利用し、素数ごとにどちらにいくつ足りないかを見ていきましょう。まず、\(2\) が \(60\) の方に \(1\) つ足りないので、\(60\) に \(2\) をかけて補います。そうすると、もともとの \(2\) 数は
\(2\) \(^3\) \( \times 3 \times 5\) \(\cdots\) ①
\(2^3 \times 3^2\) \(\cdots\) ②
となりますね。これで \(2\) 数の完全一致に一歩近づきました。次に、 \(3\) も①の方が \(1\) つ足りませんね。これにより、①に \(3\) を補い、
\(2^3 \times 3\) \(^2\) \( \times 5\) \(\cdots\) ①
\(2^3 \times 3^2\) \(\cdots\) ②
となります。最後に \(5\) については、②に \(1\) つ補い、
\(2^3 \times 3^2 \times 5\) \(\cdots\) ①
\(2^3 \times 3^2\) \(\times 5\) \(\cdots\) ②
となります。これで、最小限の数を補って①と②を一致させることができました。よって、最小公倍数は
\(2^3 \times 3^2 \times 5=360\)
おわりに
さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!
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