\(n\) 進法の四則計算
今回は\(n\) 進法の四則計算について解説していきます!
まずは、「\(n\) 進法」がそもそもなにかを説明していこうと思いますが、
急に難しい説明をされても挫折してしまいそうなので、
我々の世界で一般的に使われている \(10\) 進数について私なりの解釈をお伝えしようと思います!
※あくまでも私なりの解釈である点ご了承ください。
突然ですがみなさん、かくれんぼで鬼になった時にこう言われた時はありませんか?
じゃあ鬼は10秒数えたら開始にしましょう!
わかりました!10, 9, 8…
これ以外にも、子供の時に「お風呂に10秒浸かりな!」などと言われたことがあるのではないでしょうか?このように、何かと「10」というくくりで数字を扱う場面が多いですよね。それは、我々の世界が基本的には10進数だからだと考えられます!
また、10 というくくりで数えるのは、
「両手の指が合わせて10本だから」
という説もあります。(本当のところは分かりません…)
我々の世界は10進数ですが、他にも時計は \(12\) を基準にしますし、パソコンの世界では \(2\) を基準にします。
\(2\) 進数〜\(n\) 進数のように、\(n\) を基準にして数を表す方法を、\(n\) 進法と言います。
\(n\) 進法
\(n\) 進法
例えば、\(10\) 進法で表された数 \(12345\) について
\(12345=1\cdot 10000+2\cdot 1000+3\cdot 100+4\cdot 10+5\cdot 1\) \(=1\cdot 10^4+2\cdot 10^3+3\cdot 10^2+4\cdot 10^1+5\cdot 10^0\)
※ \(10^0=1\) であることに注意
すべての数は \(10\) 進法でこのように表すことができます。一般的に、\(n\) を \(2\) 以上の整数とするとき、\(0\) 以上の整数は、すべて
\(a_k\cdot n^k+a_{k-1}\cdot n^{k-1}+\cdots +a_2\cdot n^2+a_1\cdot n^1+a_0\cdot n^0\)
と表すことができます。特に、\(n=2\) のとき、\(2\) 進数であり、\(n=10\) のとき、\(10\) 進数を表す。また、ある数が \(n\) 進数で表されるとき、その数の右下に \({}_(n)\) と書きます。
n進数の四則演算
\(10\) 進数の四則計算
\(10\) 進数同士の四則演算は馴染みがありますね。
例)
\(9+5=14\)
\(23-14=9\)
\(13\times 4=52\)
\(10\) 進数の場合は、\(10\) を基準にして繰り上げて計算していきますね。
\(2\) 進数の四則計算
例)\(11011_{(2)}+11010_{(2)}\)
\(2\) 進数の場合は、\(2\) を基準にして繰り上げて計算していきます。
<参考①>
[ \(2\) 進数 ]
+ | 0 | 1 |
0 | 0 | 1 |
1 | 1 | 10 |
× | 0 | 1 |
0 | 0 | 0 |
1 | 0 | 1 |
例)\(1+1=2\)\(2\) 進数の場合は、\(2\) を基準にして繰り上げて計算していきます。
\(2\) は \(2\) 進数で \(10\) と表されるので、次の位に \(1\) を繰り上げます。
<参考②>
[ \(5\) 進数 ]
+ | 1 | 2 | 3 | 4 |
1 | 2 | 3 | 4 | 10 |
2 | 3 | 4 | 10 | 11 |
3 | 4 | 10 | 11 | 12 |
4 | 10 | 11 | 12 | 13 |
× | 1 | 2 | 3 | 4 |
1 | 1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 2 | 4 | 11 | 13 |
3 | 3 | 11 | 14 | 22 |
4 | 4 | 13 | 22 | 31 |
\(5\) 進数の場合は、\(5\) を基準にして繰り上げて計算していきます。
例)
\(4+4=8\)
\(8\) は \(5\) 進数で \(13\) と表されるので、次の位に \(1\) を繰り上げます。
\(4\times 4=16\)
\(16\) は \(5\) 進数で \(31\) と表されるので、次の位に \(3\) を繰り上げます。
\(n\) 進数の四則計算の例題
例題 ① 他の記数法で表す
\(10\) 進数 \(79\) を \(2\) 進数で表しなさい。また、\(5\) 進数で表しなさい。
>>詳細はこちらから
(解説)
\(10\) 進数 \(79\) を \(2\) 進数で表す。
(解法1)
\(79=1\cdot 2^6+0\cdot 2^5+0\cdot 2^4+1\cdot 2^3\)
\(+1\cdot 2^2+1\cdot 2^1+1\cdot 2^0\)
※ \(79\) に \(2^\clubsuit\) がどれくらい入るか?を考えていく。
よって、\(1001111\)
(解法2)
図のように、筆算の割り算を縦にしていく。そして、下から矢印の方向に数字を並べていくと答えになる。
よって、\(1001111\)
\(10\) 進数 \(79\) を \(5\) 進数で表す
(解法1)
\(79=3\cdot 5^2+0\cdot 5^1+4\cdot 5^0\)
※ \(79\) に \(5^\clubsuit\) がどれくらい入るか?を考えていく。
よって、\(304\)
(解法2)
図のように、筆算の割り算を縦にしていく。そして、下から矢印の方向に数字を並べていくと答えになる。
よって、\(304\)
例題 ② n進数の四則演算
次の計算の結果を、[ ]内の記数法で表せ。
(1) \(11011_{(2)}+11010_{(2)}\) [\(2)\ 進法]
(2) \(3420_{(5)}-2434_{(5)}\) [\(5\) 進法]
(3) \(413_{(5)}\times 32_{(5)}\) [\(5\) 進法]
(解説)
(1) \(11011_{(2)}+11010_{(2)}\) [\(2)\ 進法]
\(0+0=0\), \(1+0=1\), \(0+1=1\), \(1+1=10\)
(2) \(3420_{(5)}-2434_{(5)}\) [\(5\) 進法]
下の数字の方が大きい場合は、1つ大きい位から繰り下げます。そして、繰り下げたら \(+5\) して計算します。
(3) \(413_{(5)}\times 32_{(5)}\) [\(5\) 進法]
例)\(4\times 3=12\) の場合、\(5\) 進数で表すと \(22\)
おわりに
今回は、\(n\) 進数の計算方法についてでした。
・一般的に、\(n\) を \(2\) 以上の整数とするとき、\(0\) 以上の整数は、すべて
\(a_k\cdot n^k+a_{k-1}\cdot n^{k-1}+\cdots +a_2\cdot n^2+a_1\cdot n^1+a_0\cdot n^0\)
と表すことができる。特に、\(n=2\) のとき、\(2\) 進数であり、\(n=10\) のとき、\(10\) 進数を表す。
・\(n\) 進数の四則演算は、\(n\) を基準にして繰り上げながら計算する。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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