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【極限】数列の極限

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

数列の極限

今回は数列の極限について解説していきます。

数列以外にも、関数の極限について考える単元もありますので合わせてどうぞ!

数列の極限 

数列\(\{a_n\}\) (\(n=1\), \(2\), \(3\), \(\cdots\) ) は無限数列とする。

① 収束 \(\displaystyle\lim_{n\to \infty} a_n=\alpha\) (極限値) 極限あり

② 発散

 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=\infty\) 極限あり

 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=-\infty\) 極限あり

 数列は振動する 極限なし

数列の極限の性質

数列 \(\{a_n\}\), \(\{b_n\}\) が収束して、

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=\alpha\), \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} \beta\) とする。

① 定数倍 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} ka_n=k\alpha\) ただし \(k\) は定数

② 和 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} (a_n+b_n)=\alpha+\beta\)

  差 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} (a_n-b_n)=\alpha-\beta\)

③ \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} (ka_n+lb_n)\) ただし \(k\), \(l\) は定数

④ 積 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_nb_n=\alpha\beta\)

⑤ 商 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\frac{a_n}{b_n}=\frac{\alpha}{\beta}\) ただし \(\beta\neq 0\)

数列の大小関係と極限

① すべての \(n\) について \(a_n\leq b_n\) のとき

 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=\alpha\), \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} b_n=\beta\) ならば \(\alpha\leq\beta\)

② すべての \(n\) について \(a_n\leq b_n\) のとき

  \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=\infty\) ならば \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} b_n=\infty\)

③ すべての \(n\) について \(a_n\leq c_n\leq b_n\) のとき

  \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=\lim_{n\to\infty} b_n=\alpha\) ならば \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} c_n=\alpha\)

※ ③は「はさみうちの原理」ともいい、直接求めにくい極限を求める場合に有効です。

数列 \(\{n^k\}\) の極限

\(k>0\) のとき 

 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} n^k=\infty\)

 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n^k}=0\)

極限の問題

(例題①)

第 \(n\) 項が次の式で表される数列の極限を求めよ。

(1) \(1-\displaystyle\frac{1}{2n^3}\)

(2) \(3n-n^3\)

(3) \(\displaystyle\frac{2n^2-3}{n^2+1}\)

(4) \(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2n+1}-\sqrt{2n}}\)

(解説)

(1) \(1-\displaystyle\frac{1}{2n^3}\)

 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}1-\frac{1}{2n^3}\)

\(=1-\displaystyle\frac{1}{2}\cdot\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n^3}\)

※ \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n^3}=0\)

\(=1-\displaystyle\frac{1}{2}\cdot 0=1\)

(2) \(3n-n^3\)

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}(3n-n^3)\)

\(=\displaystyle\lim_{n\to\infty}n^3\big(\frac{3}{n^2}-1\big)=-\infty\)

※ \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} \frac{3}{n^2}=0\)

(3) \(\displaystyle\frac{2n^2-3}{n^2+1}\)

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{2n^2-3}{n^2+1}\)

\(=\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{2-\frac{3}{n^2}}{1+\frac{1}{n^2}}\)

※ \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{3}{n^2}=0\), \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n^2}=0\)

(4) \(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2n+1}-\sqrt{2n}}\)

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{\sqrt{2n+1}-\sqrt{2n}}\)

\(=\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{\sqrt{2n+1}+\sqrt{2n}}{(\sqrt{2n+1}-\sqrt{2n})(\sqrt{2n+1}+\sqrt{2n})}\)

\(=\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{\sqrt{2n+1}+\sqrt{2n}}{(2n+1)-2n}\)

※ \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} \sqrt{2n+1}=\infty\), \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sqrt{2n}=\infty\) 

\(=\displaystyle\lim_{n\to\infty}(\sqrt{2n+1}+\sqrt{2n})=\infty\)

(例題②)

極限 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{\cos n\pi}{n}\) を求めよ。

(解説)

はさみうちの原理の利用を考える。

\(a_n\leq\displaystyle\frac{\cos n\pi}{n}\leq b_n\) の形を作るために、

かくれた条件 \(-1\leq\cos\theta\leq 1\) を利用。

\(-1\leq\cos n\pi\leq 1\) であるから、

\(-\displaystyle\frac{1}{n}\leq\frac{\cos n\pi}{n}\leq \frac{1}{n}\)

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\big(-\frac{1}{n}\big)\leq\lim_{n\to\infty}\frac{\cos n\pi}{n}\leq \lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\)

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\big(-\frac{1}{n}\big)=0\), \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}=0\) であるから

はさみうちの原理より

 \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{\cos n\pi}{n}=0\)

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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