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【極限】無限級数

無限級数 \(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} a_n\) の和

\(\longleftrightarrow\) 部分和 \(S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n a_k\) の極限値

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

無限級数

今回は無限級数についての問題を扱います!

基本的な公式とその解説を載せていますので、公式を確認した上で例題を解いてみてください。

無限級数

 \(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} a_n=a_1+a_2+\cdots +a_n+\cdots \) \(\cdots\) (A)

について、部分和

 \(S_n=a_1+a_2+\cdots +a_n\)

の数列

 \(\{S_n\}\):\(S_1\), \(S_2\), \(\cdots\), \(S_n\), \(\cdots\)

が収束して、\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}=S\) のとき、無限級数 (A) は収束して和は \(S\) である。また、数列 \(\{S_n\}\) が発散するとき、無限級数 (A) は発散する。

解説

無限数列 \(\{a_n\}\) において、各項を前から順に記号 \(+\) で結んで得られる式 [(A) の右辺] を無限級数といい、\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} a_n\) とも書く。また、 \(a_1\) をその初項、\(a_n\) を第 \(n\) 項といい、数列 \(\{a_n\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_n\) を、第 \(n\) 項までの部分和という。そして、無限級数の収束・発散を上のように定義する。

例)収束する無限級数

\(\displaystyle\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n(n+1)}=\frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\frac{1}{3\cdot 4}\cdots +\frac{1}{n(n+1)}+\cdots \)

第 \(n\) 項までの部分和を \(S_n\) とする。

\(\displaystyle\frac{1}{k(k+1)}=\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}\) から

\(S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n\frac{1}{k(k+1)}=\big(1-\frac{1}{2}\big)+\big(\frac{1}{2}-\frac{1}{3}\big)+\cdots +\big(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\big)=1-\frac{1}{n+1}\)

よって、\(\displaystyle\lim_{n\to\infty} S_n=\lim_{n\to\infty}\big(1-\frac{1}{n+1}\big)=1\)

ゆえに、この無限級数は収束して、和は \(1\)

例)発散する無限級数

 \(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} n=1+2+3+ \cdots +n+\cdots \)

第 \(n\) 項までの部分和を \(S_n\) とすると、

 \(S_n=\displaystyle\frac{1}{2} n(n+1)\) であるから、数列 \(\{S_n\}\) は発散する。

よって、この無限級数は発散する。

無限級数の収束・発散条件

① 無限級数 \(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} a_n\) が収束する

 \(\longleftrightarrow\) \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=0\)

② 数列 \(\{a_n\}\) が \(0\) に収束しない

 \(\longleftrightarrow\) \(\displaystyle\lim_{n=1}^{\infty} a_n\) は発散する。

※ ② は ① の対偶である。また、①、② とも逆は成立しない。

解説

① の証明 \(a_n=S_n-S_{n-1}\) \((n\geq 2)\) であり、

\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty} a_n=S\) とすると、

\(\displaystyle\lim_{n\to\infty} a_n=\lim_{n\to\infty} (S_n-S_{n-1})=\lim_{n\to\infty} S_n-\lim_{n\to\infty} S_{n-1}=S-S-0\)

② は ① の対偶であるから成り立つ。なお、①、②ともに逆は成立しない。

例えば、数列 \(\big\{\displaystyle\frac{1}{n}\big\}\) は \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}=0\) であるが、\(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n}=\infty\) である。

 

無限級数の問題

次の無限級数の収束、発散んいついて調べ、収束すればその和を求めよ。

(1) \(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n+1)(2n+3)}\)

(2) \(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{1}+\sqrt{3}}+\frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{4}}+\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{5}}+\cdots\)

(解説)

第 \(n\) 項 \(a_n\) までの部分和を \(S_n\) とする。

(1) \(\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n+1)(2n+3)}\)

 \(a_n=\displaystyle\frac{1}{(2n+1)(2n+3)}\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}\big(\frac{1}{2n+1}-\frac{1}{2n+3}\big)\) であるから、

部分分数分解

\(a\neq b\) のとき、

\(\displaystyle\frac{1}{(n+a)(n+b)}\)

\(=\displaystyle\frac{1}{b-a}\big(\frac{1}{n+a}-\frac{1}{n+b}\big)\)

\(S_n=\displaystyle\frac{1}{2}\big\{\big(\frac{1}{3}-\frac{1}{5}\big)+\big(\frac{1}{5}-\frac{1}{7}\big)+\cdots +\big(\frac{1}{2n+1}-\frac{1}{2n+3}\big)\big\}\)

\(=\displaystyle\frac{1}{2}\big(\frac{1}{3}-\frac{1}{2n+3}\big)\)

よって、\(\displaystyle\lim_{n\to\infty} S_n=\frac{1}{2}\cdot \frac{1}{3}=\frac{1}{6}\)

(2) \(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{1}+\sqrt{3}}+\frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{4}}+\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{5}}+\cdots\)

\(a_n=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{n+2}}=\frac{\sqrt{n+2}-\sqrt{n}}{(n+2)-n}\)

  \(=\displaystyle\frac{1}{2}(\sqrt{n+2}-\sqrt{n})\)

であるから、

\(S_n=\displaystyle\frac{1}{2}\{(\sqrt{3}-\sqrt{1})+(\sqrt{4}-\sqrt{2})+\cdots\)

  \(+(\sqrt{n+1}-\sqrt{n-1})+(\sqrt{n+2}-\sqrt{n})\}\)

 \(=\displaystyle\frac{1}{2}(\sqrt{n+1}+\sqrt{n+2}-1-\sqrt{2})\)

よって \(\displaystyle\lim_{n\to\infty} S_n=\infty\)

ゆえに、この無限級数は発散する。

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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