ポアソン分布とは
ポアソン分布は、一定の時間内や空間内に起こる稀な事象の発生回数をモデル化する確率分布です。
この分布は特に、低確率(
ポアソン分布の式
:事象が 回発生する確率を示します。 :一定期間内の平均発生回数(事象の期待値)を示します。 :事象の発生回数で、 などの非負整数です。- 期待値:ポアソン分布の期待値(平均)は
です。 - 分散:分散も
です。
※期待値と分散は、それぞれの公式からも求められますし、モーメント母関数から求めることも可能です。
ポアソン分布の特徴
ポアソン分布は、以下のような特徴を持ちます。
- 稀な事象に対する分布
短い期間や限られた空間内で稀に発生する事象(例えば、交通事故、電話の着信回数など)を表現するために用いられます。 - 非負整数の発生回数
ポアソン分布は、ある特定の期間内に何回発生するか(0回、1回、2回…)という非負整数の回数を扱います。 - 平均発生率
事象が発生する平均回数 (ラムダ)が分布の唯一のパラメータです。この値が大きくなると、事象がより頻繁に発生するようになります。また、 により分布が決まります。 - 時間や空間が独立
ポアソン分布では、異なる時間や空間での発生は独立であり、一つの発生が別の発生に影響を与えません。

ポアソン分布の導出
ポアソン分布の導出は、二項分布から派生する形で得られます。
二項分布は、ある特定の試行回数
:試行回数 :成功回数 :各試行での成功確率 :二項係数で、 回成功する組み合わせの数
- 試行回数が非常に大きい:
- 成功確率は非常に小さく:
- 平均発生回数:
となるように設定する。
これらの条件のもとで、二項分布の確率をポアソン分布に近似するために以下のように式を変形していきます。
ここで、
次に、
この結果、式全体は次のようになります。
ポアソン分布の応用例
ポアソン分布は多くの実世界の問題に応用されます。以下に、いくつかの代表的な応用例を挙げます。
電話センターでの着信回数
ポアソン分布は、電話センターで一定の時間内に着信が何回あるかをモデル化するために使われます。例えば、
交通事故の発生
ある特定の地域で、
製造業における欠陥品の発生
製造業では、一定の期間に発生する欠陥品の数をポアソン分布でモデリングします。例えば、
自然現象の発生
自然現象(例えば、一定期間内に観測される地震の回数や、ある森林内での動物の目撃回数など)のモデル化にもポアソン分布が使われます。
おわりに
ポアソン分布は、一定の時間や空間内で発生する稀な事象の回数をモデル化するための強力なツールです。
特に、事象が独立して発生する場合に有効であり、多くの分野で利用されています。ポアソン分布の特徴とその式を理解することで、実際のデータ分析や確率計算に応用できる場面が広がります。
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私自身、数学が得意になれたのはただ運が良かったんだと思っています。たまたま親が通塾させることに積極的だったり、友達が入るって理由でそろばんに入れたり、他の科目が壊滅的だったおかげで数学が(相対的に)得意だと勘違いできたり。
”たまたま”得意になれたこの恩を、今数学の学習に困っている人に還元できたらなと思っています。お金は取りません。できる限り(何百人から連絡が来たら難しいかもですが…)真摯に向き合おうと思っていますのでオアシスだと思ってご連絡ください。