二項分布とは
詳しく見ていきましょう!
ベルヌーイ試行
「コインを投げたときに表が出るか裏が出るか」のように、何かを行ったときに起こる結果が \(2\) つしかない試行のことを「ベルヌーイ試行」といいます。ベルヌーイ試行では一般に、\(2\) つの結果のうち一方を「成功」とし、確率変数がとる値を「\(1\)」、もう一方の結果を「失敗」とし、確率変数がとる値を「\(0\)」とします。そして成功の確率を \(p\) とすると、それぞれの確率は次のように表されます。
$$P(X=1)=p$$
$$P(X=0)=1-p$$
二項分布とその平均、分散
数式:二項分布の確率質量関数は次のように表されます。
$$P(X = k) = {}_nC_k p^k (1 – p)^{n – k}$$
\(n\):試行の回数
\(k\):成功回数
\(p\):成功の確率
平均は \(E [X] = np\) 、分散は \(Var (X) = np(1 – p)\)
例:コインを \(10\) 回投げたときに表が出る回数
表の回数 | \(0\) | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(4\) | \(5\) | \(6\) | \(7\) | \(8\) | \(9\) | \(10\) |
確率 | \(0.001\) | \(0.01\) | \(0.044\) | \(0.117\) | \(0.205\) | \(0.246\) | \(0.205\) | \(0.117\) | \(0.044\) | \(0.01\) | \(0.001\) |
二項分布の特徴
次に、二項分布の特徴を詳しく見ていきます。
独立試行:試行が独立している、つまり一度の結果が次の試行には影響を与えない。
成功確率が一定:各試行で成功する確率 \(p\) は変わらない。
有限の試行回数:試行回数 \(n\) は固定されており、無限ではない。
これらの性質から、試行回数や成功確率に応じた結果のばらつきを予測できることを示します。
二項分布の応用例
二項分布がどのように現実の問題に応用されるかを説明します。
▽品質管理
ある製品が合格する確率が \(90\) %だとした場合、\(100\) 個の製品のうちいくつ合格するかを二項分布を使って予測します。
▽マーケティング
あるキャンペーンで、\(1,000\) 人に広告を送信した場合、クリック率が \(5\) %だとすると、クリックされる回数の分布を予測できます。
▽生物学
遺伝学における遺伝子の分離のモデルとしても二項分布が使われます。ある遺伝形質を持つ確率が既知の場合、その遺伝形質を持つ個体数を予測できます。
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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