幾何分布とは
幾何分布は、試行が成功するまでにかかる回数を表す離散分布です。
ここでの「成功」とは、特定の条件を満たす事象のことを指し、各試行は成功確率が一定で独立していると仮定します。
例えば、サイコロを振って「
幾何分布の特徴は、失敗が連続した後に、特定の試行で初めて成功するまでの回数に関する確率を表現できる点です。この分布は、試行回数
幾何分布の確率関数
:成功が初めて出現する試行回数( ) : 回の試行で成功する確率( ) :失敗する確率
この式の意味を簡単に説明すると、最初の
さいころを投げて初めて

分布より、
幾何分布の期待値と分散
▽期待値の導出
幾何分布の期待値
期待値は、すべての試行回数における期待される成功までの回数の平均値をとり、次のように計算されます。
この計算を進めると、最終的に期待値
▽分散の導出
幾何分布の分散
幾何分布の分散は、次のように期待値を用いて計算されます。
ここで
幾何分布の活用例
幾何分布は、以下のような実生活やビジネスでのさまざまな場面で活用されています。
(1) 品質管理
製造業では、製品の品質を管理するために不良品が出るまでの回数をモニタリングする際に幾何分布を使います。特に、製造ラインで製品を1つずつ検査していき、不良品が発生するまでの試行回数がどのような分布になるかを分析することで、製品の品質や検査方法の改善につなげることができます。
(2) ベイズ推定における事前分布
幾何分布は、ベイズ推定においても利用されます。特に、成功・失敗を繰り返す実験において、成功までの試行回数を考慮した信念を表現する際に用いられ、結果の確率を推定するための基礎分布として重要な役割を果たします。
(3) 顧客行動分析
幾何分布はマーケティング分野においても活用され、例えば「顧客が初めて商品を購入するまでの訪問回数」などの分析に使われます。特定の商品を顧客が初めて購入するまでの回数に注目することで、購買行動の傾向を分析し、マーケティング施策の最適化に役立てます。
(4) コンピュータサイエンスやアルゴリズムの性能評価
幾何分布は、ランダムに行う試行における「成功」までの回数を考えるため、アルゴリズムの性能評価にも利用されます。特に、ランダムなイベントを伴うアルゴリズムの成功率を評価する場合、試行回数が幾何分布に従うケースが多く、パフォーマンスを予測するために使われます。
まとめ
幾何分布は、試行が成功するまでの回数をモデル化する離散分布で、確率関数や期待値、分散が計算されることでその特性が明らかになります。
試行回数が増えるほど成功確率が下がるため、様々な場面での分析や品質管理、マーケティングなどの分野で役立っています。幾何分布の知識を深め、活用することで、試行回数やリスク管理に関する判断がしやすくなるでしょう。
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私自身、数学が得意になれたのはただ運が良かったんだと思っています。たまたま親が通塾させることに積極的だったり、友達が入るって理由でそろばんに入れたり、他の科目が壊滅的だったおかげで数学が(相対的に)得意だと勘違いできたり。
”たまたま”得意になれたこの恩を、今数学の学習に困っている人に還元できたらなと思っています。お金は取りません。できる限り(何百人から連絡が来たら難しいかもですが…)真摯に向き合おうと思っていますのでオアシスだと思ってご連絡ください。