複素数
複素数とは
① 複素数 \(a+bi\)
\(b=0\) → 実数 \(a\)
\(b\neq 0\) → 虚数 \(a+bi\)
特に、\(a=0\), \(b\neq 0\) のとき純虚数 \(bi\)
② 複素数の相等
\(a+bi=c+di\)
\(\longleftrightarrow\) \(a=c\), \(b=d\)
特に、\(a+bi=0\)
\(\longleftrightarrow\) \(a=0\), \(b=0\)
(補足)
「複素数」を学ぶことによって数が拡張されました。これまでは、実数の中で問題を解いてきましたが、実数に加えて「虚数」を加えた複素数の領域内で問題を解いていくことになります。「実数+虚数=複素数」
複素数の演算
共役の複素数
\(a+bi\) と \(a-bi\) を、互いに共役な複素数という。
複素数の四則演算
加法 \((a+bi)+(c+di)=(a+c)+(b+d)i\)
減法 \((a+bi)-(c+di)=(a-c)+(b-d)i\)
乗法 \((a+bi)(c+di)=(ac-bd)+(ad+bc)i\)
除法 \(\displaystyle\frac{c+di}{a+bi}=\frac{(c+di)(a-bi)}{(a+bi)(a-bi)}\)
\(=\displaystyle\frac{ac-bci+adi-bdi^2}{a^2-(bi)^2}\)
\(=\displaystyle\frac{ac+bd}{a^2+b^2}+\frac{ad-bc}{a^2+b^2}i\)
その他 \(\alpha\), \(\beta\) が複素数のとき、\(\alpha\beta=0\) \(\longleftrightarrow\) \(\alpha=0\) または \(\beta=0\)
2次方程式の解と判別式
2次方程式の解の公式
\(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) \((a\), \(b\), \(c\) は実数\()\) の解は、
\(x=\displaystyle\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\)
判別式
\(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) \((a\), \(b\), \(c\) は実数\()\) において、\(b^2-4ac\) を、この \(2\) 次方程式の判別式といい、\(D\) で表す。すなわち、\(D=b^2-4ac\)
\(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解と、その判別式 \(D\) について、次のことが成り立つ。
【\(2\) 次方程式の解の種類の判別】
\(D>0\)
\(\longleftrightarrow\) 異なる \(2\) つの実数解をもつ
\(D=0\)
\(\longleftrightarrow\) 重解をもつ
\(D<0\)
\(\longleftrightarrow\) 異なる \(2\) つの虚数解をもつ
判別式の仕組みについてはこちら
解と係数の関係
\(2\) 次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の \(2\) つの解を \(\alpha\), \(\beta\) とする。
\(2\) 次方程式の解と係数の関係
\(\alpha+\beta=-\displaystyle\frac{b}{a}\), \(\alpha\beta=\displaystyle\frac{c}{a}\)
\(2\) 次式の因数分解 \(ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)\)
\(2\) 数を解をする \(2\) 次方程式
\(2\) 数 \(\alpha\), \(\beta\) に対して、\(\alpha+\beta=p\), \(\alpha\beta=q\) とすると、\(\alpha\) と \(\beta\) を解とする \(2\) 次方程式の \(1\) つは、\(x^2-px+q=0\)
例題と解説
おすすめ数学テキスト
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複素数の演算の例題と解説
問題)
(1) \((4+5i)-(3-2i)\)
(2) \((2+i)^2\)
(3) \(\displaystyle\frac{3+2i}{2+i}-\frac{i}{1-2i}\)
解説)
(1) \((4+5i)-(3-2i)\)
\(=(4-3)+(5+2)i=1+7i\)
(2) \((2+i)^2\)
\((2+i)^2=(2+i)(2+i)\)
\(=(4-1)+(2+2)i=3+4i\)
(3) \(\displaystyle\frac{3+2i}{2+i}-\frac{i}{1-2i}\)
\(\displaystyle\frac{3+2i}{2+i}-\frac{i}{1-2i}=\displaystyle\frac{(3+2i)(2-i)}{(2+i)(2-i)}+\frac{i(1+2i)}{(1-2i)(1+2i)}\)
\(=\displaystyle\frac{8+i}{5}-\frac{-2+i}{5}\)
\(=\displaystyle\frac{(8+i)-(-2+i)}{5}\)
\(=\displaystyle\frac{10}{5}=2\)
2 次方程式の解と判別式の例題と解説
問題①)\(2x^2+5x+4=0\)
解説①)
\(x=\displaystyle\frac{-5\pm\sqrt{5^2-4\times 2\times 4}}{2\times 2}\)
\(=\displaystyle\frac{-5\pm\sqrt{25-32}}{4}\)
\(=\displaystyle\frac{-5\pm\sqrt{-7}}{4}\)
\(=\displaystyle\frac{-5\pm\sqrt{7}i}{4}\)
問題②)\(x^2+2(k-1)x-k^2+4k-3=0\)
解説②)
\(x^2+2(k-1)x-k^2+4k-3=0\) の判別式を \(D\) とおく。
\(D=\{2(k-1)\}^2-4(-k^2+4k-3)\)
\(=4(k^2-2k+1)+4k^2-16k+12\)
\(=8k^2-24k+16\)
\(=8(k^2-3k+2)\)
\(=8(k-1)(k-2)\)
\((i)\) \(D>0\) すなわち
\(k<1\), \(2<k\) のとき 2 つの異なる実数解を持つ
\((ii)\) \(D=0\) すなわち
\(k=1\), \(2\) のとき 重解を持つ
\((iii)\) \(D<0\) すなわち
\(1<k<2\) のとき 2 つの異なる虚数解を持つ
解と係数の関係の例題と解説
問題)\(2\) 次方程式 \(x^2-2x+3=0\) の \(2\) つの解を \(\alpha\), \(\beta\) とする。次の式の値を求めよ。
(1) \((\alpha+1)(\beta+1)\)
(2) \(\alpha^2+\beta^2\)
(3) \(\alpha^3+\beta^3\)
解説)
解と係数の関係より \(\alpha+\beta=2\), \(\alpha\beta=3\)
(1) \((\alpha+1)(\beta+1)\)
\(=\alpha\beta+\alpha+\beta+1\)
\(=3+2+1=6\)
(2) \(\alpha^2+\beta^2\)
\((\alpha+\beta)^2=\alpha^2+2\alpha\beta+\beta^2\)
\(\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta\)
\(=2^2-2\times 3=-2\)
(3) \(\alpha^3+\beta^3\)
\((\alpha+\beta)^3=\alpha^3+\beta^3+3\alpha\beta(\alpha+\beta)\)
\(\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)\)
\(=2^3-3\times 3\times 2=-10\)
おわりに
複素数を学習することにより数が拡張されました。これまでは実数の中で計算をしてきましたが、これからは複素数 \(a+bi\) (\(a\), \(b\) は実数) の中で計算する場面も出てくることを覚えておきましょう。
さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!
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