2つの分散から1つの分散を求める
今回は、2つのグループの平均値と分散が与えられているとき、その2つを合わせた全体集合の平均値を分散を求める問題です。
平均値は代表値の1つであり、分散はデータの散らばりを表しています。データの散らばりを計算する方法はいくつか種類がありますが、その中でも分散は、各データが平均値からどれくらい離れているか(散らばっているか)を表す値です。
代表値を扱った問題にチャレンジしてみたい方はこちらをチェック
平均値と分散/標準偏差
大きさ
大きさ
分散
また、
標準偏差
分散や標準偏差の計算が不安な方はこちらをチェック!
分散と標準偏差の違いがピンとこない方はこちらをチェック!
平均値・分散の問題
ある集団はAとBの2つのグループで構成されている。データを集計したところ、それぞれのグループの個数、平均値、分散は右の表のようになった。このとき、集合全体の平均値と分散を求めよ。
グループ | 個数 | 平均値 | 分散 |
A | 20 | 16 | 24 |
B | 60 | 12 | 28 |
平均値・分散の問題(答案の例)
グループ A の総和は、
グループ B の総和は、
したがって、全データの総和は、
グループ A の変量を
グループ B の変量を
とおき、それぞれの分散を
ここで、
同様にして、
ここで、
以上のことから、
よって、
したがって、
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平均値・分散の問題(解説)
データの総和は、(平均値)
よって、
グループ A の総和は、
グループ B の総和は、
したがって、全データの総和は、
また、全体の分散は、全体のデータの変量を
(分散)
となる。
と表すこともできる。

勝手に文字を出現させられないので、各文字の説明をしながら問題を解き進めて行きましょう!
グループ A の変量を
グループ B の変量を
とおくと、
と表すことができる。それぞれの分散を
ここで、
同様にして、
ここで、
以上のことから、
よって、※ に当てはめると、
したがって、(分散)
おわりに
今回は、2つのグループの平均値と分散が与えられているとき、その2つを合わせた全体集合の平均値を分散を求める問題でした。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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私自身、数学が得意になれたのはただ運が良かったんだと思っています。たまたま親が通塾させることに積極的だったり、友達が入るって理由でそろばんに入れたり、他の科目が壊滅的だったおかげで数学が(相対的に)得意だと勘違いできたり。
”たまたま”得意になれたこの恩を、今数学の学習に困っている人に還元できたらなと思っています。お金は取りません。できる限り(何百人から連絡が来たら難しいかもですが…)真摯に向き合おうと思っていますのでオアシスだと思ってご連絡ください。