赤玉と青玉の確率
今回は袋の中から赤玉と青玉を取り出す確率の問題です。
確率といえば、袋から玉を取り出したり、くじを引いたり、さいころを転がしたりしますね。このように、さまざまな事象に当てはめて考える必要があるのが確率の難しいところです…
しかし、どんな事象であれ確率の原理・原則は同じです。さてやっていきましょう!
確率の基本
事象 \(A\) の確率 \(P(A)\) は、
$$P(A)=\displaystyle\frac{求めたいパターン}{全てのパターン}$$
例題)サイコロを1回振るとき、1の目が出る確率を求めなさい。
解答)\(\frac{1}{6}\)
おそらくこの問題であれば、\(\frac{1}{6}\) とすぐに答えを導くことができると思います。\(6\) 面あるさいころのうち、\(1\) の目は \(1\) 面しかありませんからね。
では、この答えの仕組みを少し見ていきましょう。
\(1\) の目が出る事象を \(A\) とし、その事象が起こる確率 \(P(A)\) を求めてみます。
求めたいもののパターン:(1の目が出るパターン)\(=1\) 通り
全てのパターン:(サイコロを振るときのパターン)\(=6\) 通り
\(P(A)=\displaystyle\frac{求めたいパターン}{全てのパターン}\) より \(P(A)=\displaystyle\frac{1}{6}\)
赤玉と青球の確率の問題
袋 \(A\) には赤玉 \(3\) 個と青玉 \(2\) 個、袋 \(B\) には赤玉 \(7\) 個と青玉 \(3\) 個が入っている。
袋 \(A\) から \(1\) 個、袋 \(B\) から \(2\) 個取り出す。
このとき、取り出す玉の色が全て同じである確率を求めよ。
答案の例
\((1)\)「取り出す玉の色が全て赤色の確率」について
\((i)\) 袋 \(A\) から赤玉を \(1\) 個取り出す確率 \(\displaystyle\frac{{}_3C_1}{{}_5C_1}=\displaystyle\frac{3}{5}\)
\((ii)\) 袋 \(B\) から赤玉を \(2\) 個取り出す確率 \(\displaystyle\frac{{}_7C_2}{{}_{10}C_2}=\displaystyle\frac{21}{45}=\displaystyle\frac{7}{15}\)
\((i)\), \((ii)\) より、
\(\displaystyle\frac{{}_3C_1}{{}_5C_1}\times \displaystyle\frac{{}_7C_2}{{}_{10}C_2}\)
\(=\displaystyle\frac{3}{5}\times \displaystyle\frac{21}{45}\)
\(=\displaystyle\frac{3}{5}\times \displaystyle\frac{7}{15}\)
\(=\displaystyle\frac{7}{25}\)
\((2)\)「取り出す玉の色が全て青色の確率」
\((i)\) 袋 \(A\) から青玉を \(1\) 個取り出す確率 \(\displaystyle\frac{{}_2C_1}{{}_5C_1}=\displaystyle\frac{2}{5}\)
\((ii)\) 袋 \(B\) から青玉を \(2\) 個取り出す確率 \(\displaystyle\frac{{}_3C_2}{{}_{10}C_2}=\displaystyle\frac{3}{45}=\displaystyle\frac{1}{15}\)
\((i)\), \((ii)\) より、
\(\displaystyle\frac{{}_2C_1}{{}_5C_1}\times \displaystyle\frac{{}_3C_2}{{}_{10}C_2}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{5}\times \displaystyle\frac{3}{45}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{5}\times \displaystyle\frac{1}{15}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{75}\)
よって、\((1)+(2)=(答え)\) より
\(=\displaystyle\frac{7}{25}+\displaystyle\frac{2}{75}\)
\(=\displaystyle\frac{21}{75}+\displaystyle\frac{2}{75}\)
\(=\displaystyle\frac{23}{75}\)
解説
場合分けを考える。
「取り出す玉の色が全て同じである確率を求めよ。」
を言い換えると、今回は色の種類が赤と青しかありませんから、「取り出す玉の色が全て赤である確率、そして全て青である確率をそれぞれ求めよ。」のようになります。一つひとつ見ていきましょう。
\((1)\) 取り出す玉の色が全て赤色
\((2)\) 取り出した玉の色が全て青色
\((1)\)「取り出す玉の色が全て赤色の確率」について
この確率を求めるためには、袋 \(A\) から取り出す玉が全て赤玉の確率と袋 \(B\) から取り出す玉が全て赤玉の確率の積を求める必要があります。
\((i)\) 袋 \(A\) から赤玉を \(1\) 個取り出す確率
\((ii)\) 袋 \(B\) から赤玉を \(2\) 個取り出す確率
\((i)\), \((ii)\) より、
\(A\) の袋、\(B\) の袋から取り出す玉の色が全て赤色の確率は、
\(((1) の確率)=((i)の確率)\times ((ii)の確率)\)
\(=\displaystyle\frac{{}_3C_1}{{}_5C_1}\times \displaystyle\frac{{}_7C_2}{{}_{10}C_2}\)
\(=\displaystyle\frac{3}{5}\times \displaystyle\frac{21}{45}\)
\(=\displaystyle\frac{3}{5}\times \displaystyle\frac{7}{15}\)
\(=\displaystyle\frac{7}{25}\)
\((2)\)「取り出す玉の色が全て青色の確率」について
さっきの赤玉のときと同じように、今度は青玉を取る確率を計算し、その積を考えるわけです。
\((i)\) 袋 \(A\) から青玉を \(1\) 個取り出す確率
\((ii)\) 袋 \(B\) から青玉を \(2\) 個取り出す確率
\((i)\), \((ii)\) より、
\(A\) の袋、\(B\) の袋から取り出す玉の色が全て青色の確率は、
\(((2) の確率)=((i)の確率)\times ((ii)の確率)\)
\(=\displaystyle\frac{{}_2C_1}{{}_5C_1}\times \displaystyle\frac{{}_3C_2}{{}_{10}C_2}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{5}\times \displaystyle\frac{3}{45}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{5}\times \displaystyle\frac{1}{15}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{75}\)
場合分けして求めた \((1)\), \((2)\) より、取り出す玉の色が全て同じである確率は、
\((1)+(2)=(答え)\) より
\(=\displaystyle\frac{7}{25}+\displaystyle\frac{2}{75}\)
\(=\displaystyle\frac{21}{75}+\displaystyle\frac{2}{75}\)
\(=\displaystyle\frac{23}{75}\)
おわりに
今回は、袋の中から赤玉と青玉を取り出す確率の問題でした。
確率の問題は、苦手とする人が非常に多いです。
しっかりと、日本語で整理しながら進める必要がある単元となっています。
さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!
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