条件付き確率(赤玉\白玉編)
今回は、ある決められた前提条件のもとで確率を考える、条件付き確率の問題を扱っていきます。
条件付き確率は、問題文に「〜のとき」のように書かれていることが多いです。具体的な問題に入る前に、ひとまず条件付き確率の公式を見ていきましょう。
公式の複雑さに惑わされてはいけません。この記事を通して解く際のイメージを解説していきますので、一緒にゆっくりと見ていきましょう!
条件付き確率の公式
事象 \(A\) が起こるという条件のもとで事象 が起こる場合、
\(P_A(B)\) と表され、以下のように表される。
\(P_A(B)=\displaystyle\frac{P(A\cap B)}{P(A)}\) \(\cdots\) ※
「事象 \(A\) が起こるという条件」の部分は、問題文だと「〜のとき」と表されてる場合が多いです。
通常の確率と条件付き確率の違い
通常の確率
\(P(A)=\displaystyle\frac{(求めたいパターン)}{(全てのパターン)}\)
条件付き確率
\(P(A)=\displaystyle\frac{(求めたいパターン)}{(条件のパターン)}\)
通常の確率と条件付き確率では、分母の表し方が異なります。単純な例題で少し考えてみます。
例題)
男子 \(3\) 人、女子 \(7\) がいます。この中から \(2\) 人の学級委員を次のように決める場合の確率を求めよ。
① ランダムに \(2\) 人を選ぶ確率
② 最初の \(1\) 人が男子だったとき、\(2\) 人目に女子が選ばれる確率
①は、ただ \(10\) 人から \(2\) 人を選ぶだけなので、全員である 「\(10\) 」が分母となります。
(最終的な答えまでは解説せず、分母だけに絞って説明します。)
②は、最初の \(1\) 人が男子という前提条件があります。
まず、 \(10\) 人の中から男子 \(3\) 人の誰かを選ぶ確率は、\(\displaystyle\frac{3}{10}\)
この値が上記の「条件のパターン」の部分になるので、②では \(\displaystyle\frac{3}{10}\) が分母となります。
このように、前提条件の部分が分母になる点で、今までの確率とは少し違ってくるわけです。では、具体的な問題を見ていきましょう。
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条件付き確率の問題
赤玉 \(5\) 個、白玉 \(4\) 個が入っている袋から、玉を \(1\) 個取り出し、それをもとに戻さないで、続いてもう \(1\) 個取り出す。\(1\) 回目に赤玉が出たとき、\(2\) 回目も赤玉が出る確率を求めよ。
答案の例
答案の例① 確率の基本の公式に当てはめる
「\(1\) 回目に赤玉を取り出し、\(2\) 回目はなんでもいいパターン」を求める。
よって、\(5\times 8=40\)
次に、「\(1\)回目に赤玉を取り出し、\(2\) 回目も赤玉を取り出すパターン」を求める。
よって、 \(5\times 4=20\)
したがって、\(\displaystyle\frac{20}{40}=\frac{1}{2}\)
答案の例② 条件付き確率の公式に当てはめる
事象 \(A\):\(1\) 回目に赤玉が出る
事象 \(B\):\(2\) 回目に赤玉が出る
とする。
\(P(A)=\displaystyle\frac{5}{9}\)
\(P(A\cap B)=\displaystyle\frac{5}{9}\times \frac{4}{8}\)
よって、
\(P_A(B)=\displaystyle\frac{P(A\cap B)}{P(A)}\)
\(=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{5}{9}\times \frac{4}{8}}{\displaystyle\frac{5}{9}}\)
\(=\displaystyle\frac{4}{8}\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}\)
解説
解法①と解法②は、答案は異なりますが、考え方は同じです。つまり、前提条件を分母において、確率を計算しているのです。
解法②の方は、条件付き確率の公式を使っているので、\(1\) つの公式で一気に結果を示す傾向があります。
解法①の方が、確率の基本的な考え方に沿って計算しているので、場合によってはわかりやすく理解できるかもしれません。
どちらで考えるかは、お好みですね。
解法① 確率の基本の公式に当てはめる
条件を満たすパターン
条件は「\(1\) 回目に赤玉が出たとき」という部分なので、
条件を満たすパターンは、
「\(1\) 回目に赤玉を取り出し、かつ、\(2\) 回目はなんでもいいパターン」となります。
\(1\) 回目に赤玉を取り出す:\(5\) パターン
\(2\) 回目になんでもいいから取り出す:赤玉 \(1\) つ分減っているので、\(8\) パターン
よって、\(5\times 8=40\) パターン
求めたいパターン
「\(1\) 回目に赤玉を取り出し、\(2\) 回目も赤玉を取り出すパターン」となります。
\(1\) 回目に赤玉を取り出す:\(5\) パターン
\(2\) 回目も赤玉を取り出す:赤玉 \(1\) つ分減っているので、\(4\) パターン
よって、\(5\times 4=20\) パターン
したがって、※の式に代入すると、
\((確率)=\displaystyle\frac{(求めたいパターン)}{(条件を満たすパターン)}\)
\(=\displaystyle\frac{20}{40}\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}\)
解法② 条件付き確率の公式に当てはめる
事象 \(A\):\(1\) 回目に赤玉が出る
事象 \(B\):\(2\) 回目に赤玉が出る
とする。公式に必要な \(P(A)\) と \(P(A\cap B)\) それぞれを計算していきます。
\(P(A)=\displaystyle\frac{5}{9}\)
\(P(A\cap B)=\displaystyle\frac{5}{9}\times \frac{4}{8}\)
これらを \(P_A(B)=\displaystyle\frac{P(A\cap B)}{P(A)}\) の公式へ代入し、
\(P_A(B)=\displaystyle\frac{P(A\cap B)}{P(A)}\)
\(=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{5}{9}\times \frac{4}{8}}{\displaystyle\frac{5}{9}}\)
\(=\displaystyle\frac{4}{8}\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}\)
おわりに
今回は、赤玉と白玉が入ってる袋から玉を取り出す条件付き確率の問題でした。
さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!
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