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【三角比】『三角比の拡張』\(1\) つの三角比からもう \(2\) つの三角比を求める。

目次

データアナリストへの道

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三角比の拡張

今回は、一つの三角比から他の三角比を求める問題です。

見出しに三角比の拡張と書かれていますが、「拡張」というのはどういうことなのでしょうか?
これまでは、\(\sin\theta\) の \(\theta\) の部分が \(90^\circ\) を越えることがなかったのですが、「拡張」されると \(\theta\) が \(90^\circ\) を越える場合があります。

三角比が拡張されると、定義の仕方も変わってきますので、不安な方はこちらをチェック!

三角比の相互関係

\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) \(\cdots\) ①

\(\tan\theta=\displaystyle\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\) (\cdots\) ②

\(\tan^2\theta+1=\displaystyle\frac{1}{\cos^2\theta}\) \(\cdots\) ③

方程式立式の法則

方程式で値を求めるためには、求めたい文字の個数分、式が必要です。
例えば求めたい文字が \(2\) つある場合は、式が \(2\) つ必要です。

例)

\(2x+4=-2\) \(\longrightarrow\) 求めたい文字が \(1\) つなので式も \(1\) で良い。

\(2x+y=2\) \(\longrightarrow\) 求めたい文字が \(2\) つなので式はもう一つ必要。

三角比を求める問題

\(\sin\theta=\displaystyle\frac{2}{3}\) (\(0^\circ\leq\theta \leq180^\circ\)) のとき、\(\cos\theta\) と  \(\tan\theta\) の値を求めよ。

答案の例

\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より

\(\left(\displaystyle\frac{2}{3}\right)^2+\cos^2\theta=1\)
\(\displaystyle\frac{4}{9}+\cos^2\theta=1\)
\(\cos^2\theta=\displaystyle\frac{5}{9}\)
\(\cos\theta=\pm\displaystyle\frac{5}{3}\)

( i ) \(0^\circ\leq\theta\leq 90^\circ\) のとき
すなわち、\(\cos\theta=\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\) のとき

\(\tan\theta=\displaystyle\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\) より
\(=\sin\theta\times\displaystyle\frac{1}{\cos\theta}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{3}\times\frac{3}{\sqrt{5}}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

( ii ) \(90^\circ\leq \theta \leq 180^\circ\) のとき
すなわち、\(\cos\theta=-\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\) のとき

\(\tan\theta=\displaystyle\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\) より
\(=\sin\theta\times\displaystyle\frac{1}{\cos\theta}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{3}\times\left(-\frac{3}{\sqrt{5}}\right)\)
\(=-\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

よって、\(0^\circ\leq\theta\leq 90^\circ\) のとき、\(\cos\theta=\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\), \(\tan\theta=\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)
\(90^\circ\leq \theta \leq 180^\circ\) のとき、\(\cos\theta=-\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\), \(\tan\theta=-\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

解説

\(\sin\theta=\displaystyle\frac{2}{3}\) を公式 ①②③ 全てに代入してみる。

① \(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) に代入する。

\(\left(\displaystyle\frac{2}{3}\right)^2+\cos^2\theta=1\)
このまま計算すれば \(\cos\theta\) が求められる。

② \(\tan\theta=\displaystyle\frac{1}{\cos\theta}=\tan\theta\) に代入する。

\(\displaystyle\frac{2}{3}\times\frac{1}{\cos\theta=\tan\theta}\)
このまま計算しても \(\cos\theta\), \(\tan\theta\) の \(2\) つが分かっていないので現時点ではどちらも求められない。

③ \(\tan^2\theta+1=\displaystyle\frac{1}{\cos^2\theta}\) に代入する。

\(\sin\theta\) がないので代入できない。

このように全てに代入したことで最適な公式は ① であるということを判断できる。

では、公式①の計算を続けてみましょう。

\(\left(\displaystyle\frac{2}{3}\right)^2+\cos^2\theta=1\)
\(\displaystyle\frac{4}{9}+\cos^2\theta=1\)
\(\cos^2\theta=\displaystyle\frac{5}{9}\)
\(\cos\theta=\pm\displaystyle\frac{5}{3}\)

\(0^\circ\leq\theta\leq 90^\circ\) のとき \(\cos\theta=\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\)
\(90^\circ\leq \theta \leq 180^\circ\) のとき \(\cos\theta=-\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\)

となるので場合分けが必要です。出てきた場合分けを基に他の公式に再代入しましょう。

( i ) \(0^\circ\leq\theta\leq 90^\circ\) のとき
すなわち \(\cos\theta=\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\) のとき

\(\tan\theta=\displaystyle\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\) より
\(=\sin\theta\times\displaystyle\frac{1}{\cos\theta}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{3}\times\frac{3}{\sqrt{5}}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

( ii ) \(90^\circ\leq \theta \leq 180^\circ\) のとき
すなわち、\(\cos\theta=-\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\) のとき

\(\tan\theta=\displaystyle\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\) より
\(=\sin\theta\times\displaystyle\frac{1}{\cos\theta}\)
\(=\displaystyle\frac{2}{3}\times\left(-\frac{3}{\sqrt{5}}\right)\)
\(=-\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

よって、\(0^\circ\leq\theta\leq 90^\circ\) のとき、\(\cos\theta=\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\), \(\tan\theta=\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)
\(90^\circ\leq \theta \leq 180^\circ\) のとき、\(\cos\theta=-\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{3}\), \(\tan\theta=-\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

おわりに

今回は、一つの三角比から他の三角比を求める問題でした。

公式に関しては、何も見ずに書けるくらいには覚えておきましょう。
まだ暗記できていない人は、最初は公式を見ながらで構わないので問題を解きながら覚えていきましょう。

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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