三角関数の最大・最小
今回は \(\sin\theta+\cos\theta\) を文字に変換して解く関数問題です!
\(\sin\theta+\cos\theta\) を \(t\) などの別の文字に変換することにより、\(\theta\) の式を \(t\) の式で表すことできます。\(t\) で表されてる方が、\(\theta\) で表された式よりも計算がしやすいですね!
サイン+コサインから求められるもの
\(t=\sin\theta+\cos\theta\) の両辺を \(2\) 乗してみる。
\(t^2=(\sin\theta+\cos\theta)^2\)
\(=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta\)
ここで、\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より
\(=1+2\sin\theta\cos\theta\)
このことより、
\(t^2-1=2\sin\theta\cos\theta\)
\(\sin\theta\cos\theta=\displaystyle\frac{t^2-1}{2}\)
このように、両辺を \(2\) して、\(\sin\theta\cos\theta\) を求める解法は、頻出となるので確実に押さえましょう。
三角関数を学ぶにあたって〜これまでの復習〜
↓三角比とは?という部分でつまづいてる人はこちら
↓三角比が含まれた方程式はこちら
三角関数の最大・最小(問題)
関数 \(f(\theta)=\sin2\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\) を考える。
ただし、\((0\leq \theta \leq 2\pi)\) とする。
(1) \(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくとき、\(f(\theta)\) を \(t\) の式で表せ。
(2) \(f(\theta)\) の最大・最小を求めよ。また、そのときの \(\theta\) を求めよ。
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答案の例
(1) \(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくとき、\(f(\theta)\) を \(t\) の式で表せ。
\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より
\(t^2=(\sin\theta+\cos\theta)^2\)
\(=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos2\theta\)
\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より
\(=1+2\sin\theta\cos\theta\)
\(\sin\theta\cos\theta=\displaystyle\frac{t^2-1}{2}\) \(\cdots\) ※
\(f(\theta)=\sin2\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)
\(=2\sin\theta\cos\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)
※ を代入すると、
\(f(t)=2\times\displaystyle\frac{t^2-1}{2}+2\times t-1\)
よって、
\(f(t)=t^2-1+2t-1\)
\(=t^2+2t-2\)
(2) \(f(\theta)\) の最大・最小を求めよ。また、そのときの \(\theta\) を求めよ。
\(f(t)=t^2+2t-2=(t+1)^2-3\)
頂点 \((-1\), \(-3)\)
また、\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より
\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
よって、\(-\sqrt{2}\leq t\leq\sqrt{2}\)
以上のことを踏まえて、グラフを描く。
グラフより、
\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)
\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値なので、
\(f(\sqrt{2})=(\sqrt{2})^2+2\sqrt{2}-2\)
\(=2+2\sqrt{2}-2=2\sqrt{2}\)
よって、まとめると、
\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)
\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)
\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\) より
\(t=-1\) を代入すると、
\(-1=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{5}{4}\pi\), \(\displaystyle\frac{7}{4}\pi\)
\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\)
\(t=\sqrt{2}\) を代入すると、
\(\sqrt{2}=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(1=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{1}{2}\pi=\displaystyle\frac{\pi}{2}\)
したがって、
\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\) のとき最小値 \(-3\)
\(\theta=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)
解説
(1) \(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくとき、\(f(\theta)\) を \(t\) の式で表せ。
\(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくだけだと \(\sin2\theta\) の部分を変換しきれません。\(\sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta\) と考えて、\(\sin\theta\cos\theta\) をどう表すかを考えていきます。
\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より
両辺を \(2\) 乗すると、
\(t^2=(\sin\theta+\cos\theta)^2\)
\(=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos2\theta\)
\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より
\(=1+2\sin\theta\cos\theta\)
\(\sin\theta\cos\theta=\displaystyle\frac{t^2-1}{2}\) \(\cdots\) ※
\(f(\theta)=\sin2\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)
\(=2\sin\theta\cos\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)
※ を代入すると、
\(f(t)=2\times\displaystyle\frac{t^2-1}{2}+2\times t-1\)
よって、\(f(t)=t^2-1+2t-1=t^2+2t-2\)
(2) \(f(\theta)\) の最大・最小を求めよ。また、そのときの \(\theta\) を求めよ。
(1) で変形した式を用います。\(t\) の式に変換されているため、二次関数の最大・最小をまずは求めます。
\(f(t)=t^2+2t-2=(t+1)^2-3\)
頂点 \((-1\), \(-3)\)
↓平方完成を確認したい人はこちら
また、\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より
合成すると、\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
↓三角関数の合成の確認をしたい人はこちら
よって、\(-\sqrt{2}\leq t\leq\sqrt{2}\)
以上のことを踏まえて、グラフを描く。
グラフより、
\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)
\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値なので、
\(f(\sqrt{2})=(\sqrt{2})^2+2\sqrt{2}-2\)
\(=2+2\sqrt{2}-2=2\sqrt{2}\)
よって、まとめると、
\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)
\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)
\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\) より
\(t=-1\) を代入すると、
\(-1=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{5}{4}\pi\), \(\displaystyle\frac{7}{4}\pi\)
\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\)
\(t=\sqrt{2}\) を代入すると、
\(\sqrt{2}=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(1=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{1}{2}\pi=\displaystyle\frac{\pi}{2}\)
したがって、
\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\) のとき最小値 \(-3\)
\(\theta=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)
おわりに
今回は、サイン+コサインを文字において変換する関数問題でした。
必要な公式
・三角比の相互関係
・平方完成
・三角関数の合成
これらの公式が理解できていないと難しく感じたかもしれません。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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