2つの放物線の共通接線
まずは共通接線のイメージをしてみましょう。イメージをするためには、曲線(今回は二次関数)のグラフが描ける必要があります。
共通接線のイメージ
このようにふたつ引くことが出来ます。
※ ここのグラフは100%正確に描く必要はありません。あくまでもイメージするためのものです。
\(y=f(x)\) 上の点\((t\), \(f(t))\) における接線の方程式は、
\(y-f(t)=f'(t)(x-t))\) \((f'(t)\):接線の傾き)
接線の傾き \(f'(t)\) を求める手順
① \(f(x)\) を微分する。(\(f'(x)\) を求める)
② \(f'(x)\) の \(x\) 座標に接点の \(x\) 座標を代入する
③ \(y-f(t)=f'(t)(x-t))\) に代入する。
接線の求め方がいまいちわからない方はこちらを先に解くと良いです。
共通接線(問題)
\(2\) つの放物線 \(y=-x^2\), \(y=x^2-2x+5\) の共通接線の方程式を求めよ。
共通接線(答案の例)
\(f(x)=-x^2\), \(g(x)=x^2-2x+5\) とおく。
接点 \((a\), \(-a^2)\) とおくと、
\(f'(x)=-2x\)
\(f'(a)=-2a\)
よって、
\(y-(-a^2)=-2a(x-a)\)
\(y=-2ax+a^2\) \(\cdots\) ①
接点 \((b\), \(b^2-2b+5)\) とおくと、
\(g'(x)=2x-2\)
\(g'(b)=2b-2\)
よって、
\(y-(b^2-2b+5)=(2b-2)(x-b)\)
\(y-b^2+2b-5=(2b-2)x-2b^2+2b\)
\(y=(2b-2)x-b^2+5\) \(\cdots\) ②
①, ②より \(-2a=2b-2\)
\(a+b=1\) \(\cdots\) ③
\(a^2=-b^2+5\)
\(a^2+b^2=5\) \(\cdots\) ④
③より、\(b=1-a\)
④に代入すると、
\(a^2+(1-a)^2=5\)
\(a^2+1-2a+a^2=5\)
\(2a^2-2a-4=0\)
\(a^2-a-2=0\)
\((a-2)(a+1)=0\)
\(a=2\), \(-1\)
\(a=2\) のとき、\(y=-4x+4\)
\(a=-1\) のとき、\(y=x+1\)
共通接線(解説)
\(f(x)=-x^2\), \(g(x)=x^2-2x+5\) とおく。
接点 \((a\), \(-a^2)\) とおく。
\(f'(x)=-2x\) 接点の \(x\) 座標 \(a\) を代入すると、\(f'(a)=-2a\)
よって、
\(y-(-a^2)=-2a(x-a)\)
\(y=-2ax+a^2\) \(\cdots\) ①
接点 \((b\), \(b^2-2b+5)\) とおく。
\(g'(x)=2x-2\) 接点の \(x\) 座標 \(b\) を代入すると、\(g'(b)=2b-2\)
よって、
\(y-(b^2-2b+5)=(2b-2)(x-b)\)
\(y-b^2+2b-5=(2b-2)x-2b^2+2b\)
\(y=(2b-2)x-b^2+5\) \(\cdots\) ②
①, ② は共通接線なので傾きと切片が等しい。
\(a+b=1\) \(\cdots\) ③
\(a^2+b^2=5\) \(\cdots\) ④
③より、\(b=1-a\)
④に代入すると、
\(a^2+(1-a)^2=5\)
\(a^2+1-2a+a^2=5\)
\(2a^2-2a-4=0\)
\(a^2-a-2=0\)
\((a-2)(a+1)=0\)
\(a=2\), \(-1\)
それぞれを①に代入すると、
\(a=2\) のとき、\(y=-4x+4\)
\(a=-1\) のとき、\(y=x+1\)
おわりに
今回は、2つの放物線の共通接線についての問題でした。
接線の方程式に必要なのは、接点と傾きです。
接点:問題にない時は、文字でおく。
傾き:微分した式に接点の \(x\) 座標を代入する。
接点が与えられているかどうか、傾きが与えられているかどうかは問題文をしっかりと読んで判断しましょう。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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