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【ベクトル】『ベクトルの大きさ』ベクトルの大きさの最小値問題

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

ベクトルの大きさ

今回はベクトルの大きさの最小値問題です。

\(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|\) の大きさを求めるような問題を扱います。このままの形だとなにもわかりません。

「絶対値がついているときは、とりあえず2乗する。」

と覚えておきましょう。以下で詳しく説明していきます。

ベクトルの絶対値の2乗

ベクトルの大きさが与えられていたら2乗しましょう!

\(|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|=\sqrt{5}\)

こちらの式は、このままだとなにもわかりません。しかし、2乗すると

\(|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|^2=\sqrt{5}^2\)

\(|\overrightarrow{a}|^2-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+|\overrightarrow{b}|^2=5\)

となり、\(|\overrightarrow{a}|\), \(|\overrightarrow{b}|\) の値がわかっていれば 、

\(\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}\) の値を求めることができます。

このように、\(2\) 乗すると展開により分解され、解き進めやすくなる場合が多いです。

ベクトルの基礎・基本

問題を解く上で、ベクトルの基礎基本を押さえておく必要があります。

・ベクトルとは
・ベクトルの四則演算
・ベクトルの内積

ベクトルの大きさ(問題)

ベクトル \(\overrightarrow{a}\), \(\overrightarrow{b}\) について  \(|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}\), \(|\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}\), \(|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|=\sqrt{5}\) であるとき

(1) 内積 \(\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}\) の値を求めよ。

(2) ベクトル \(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|\) の大きさを求めよ。

(3) ベクトル \(|\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}|\) の大きさが最小となるように実数 \(t\) の値を定め、そのときの最小値を求めよ。

答案の例

(1)

\(|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|^2=(\sqrt{5})^2\)
\(|\overrightarrow{a}|^2-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+|\overrightarrow{b}|^2=5\)

\(|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}\), \(|\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}\) より

\(\sqrt{3}^2-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+\sqrt{2}^2=5\)
\(3-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+2=5\)
\(-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=0\)
\(\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=0\) \(\cdots\) ※

(2)

\(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|^2\)
\(=2^2|\overrightarrow{a}|^2-12\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+3^2|\overrightarrow{b}|^2\)

\(|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}\), \(|\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}\) と(1) の※より

\(=4(\sqrt{3})^2-12\cdot 0+9(\sqrt{2})^2\)
\(=4\cdot 3+9\cdot 2=30\)

よって、\(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|=\sqrt{30}\)

(3)

\(|\overrightarrow{a}-t\overrightarrow{b}|^2\)
\(=|\overrightarrow{a}|^2+2t\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+t^2|\overrightarrow{b}|^2\)

\(|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}\), \(|\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}\) と(1) の※より

\(=3+2t^2\)
\(=2t^2+3\)
頂点 \((0\), \(3)\)

よって、\(t=0\)  のとき最小値 \(\sqrt{3}\)

解説

(1)

\(|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|=\sqrt{5}\) の両辺を2乗する。

\(|\overrightarrow{a}-\overrightarrow{b}|^2=(\sqrt{5})^2\)
\(|\overrightarrow{a}|^2-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+|\overrightarrow{b}|^2=5\)

\(|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}\), \(|\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}\) より

\(\sqrt{3}^2-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+\sqrt{2}^2=5\)
\(3-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+2=5\)
\(-2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=0\)
\(\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=0\) \(\cdots\) ※

(2)

\(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|\) を2乗する。

\(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|^2\)
\(=2^2|\overrightarrow{a}|^2-12\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+3^2|\overrightarrow{b}|^2\)

\(|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}\), \(|\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}\) と(1) の※より

\(=4(\sqrt{3})^2-12\cdot 0+9(\sqrt{2})^2\)
\(=4\cdot 3+9\cdot 2=30\)

よって、\(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|^2=30\)

最初に2乗しているので、元に戻す。

\(|2\overrightarrow{a}-3\overrightarrow{b}|=\sqrt{30}\)

(3)

\(|\overrightarrow{a}-t\overrightarrow{b}|\) のままだと何もわからないので、2乗する。

\(|\overrightarrow{a}-t\overrightarrow{b}|^2\)
\(=|\overrightarrow{a}|^2+2t\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+t^2|\overrightarrow{b}|^2\)

\(|\overrightarrow{a}|=\sqrt{3}\), \(|\overrightarrow{b}|=\sqrt{2}\) と(1) の※より

\(=3+2t^2\)
\(=2t^2+3\)
頂点 \((0\), \(3)\)

よって、\(t=0\)  のとき最小値 \(\sqrt{3}\)

おわりに

今回は、ベクトルの大きさの最小値問題でした。

ベクトルの基本知識はもちろんのこと、二次関数の最小値問題の解法も覚えている必要があります。

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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