位置ベクトル
今回は位置ベクトルについての問題を扱っていきます。
ポイントは2点!
① 位置ベクトルとは?を理解する!
② 式を図に落とし込む!
位置ベクトルの概念をしっかりと理解し、式を図に落とし込むことが重要です!
位置ベクトルとは?
簡単に言えば、位置ベクトルとは「始点と終点が設定されたベクトル」と思っておけばOKです!
\(\triangle{ABC}\) において、線分 \(BC\) を \(m:n\) に内分する点を \(P\) とするとき、
\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{n}{m+n}\overrightarrow{AB}+\frac{m}{m+n}\overrightarrow{AC}\)
式を図に落とし込むポイント
式を図に落とし込むために、始点を変更しなければいけない場合があります。
始点の変更についてはこちらをチェック
位置ベクトル(問題)
\(\triangle{ABC}\) の内部に点 \(P\) があり、
\(6\overrightarrow{PA}+3\overrightarrow{PB}+2\overrightarrow{PC}=\overrightarrow{0}\)
を満たすとき、点 \(P\) はどのような位置にあるか。
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答案の例
\(-6\overrightarrow{AP}+3\overrightarrow{AB}-3\overrightarrow{AP}+2\overrightarrow{AC}-2\overrightarrow{AP}=\overrightarrow{0}\)
\(-11\overrightarrow{AP}+3\overrightarrow{AB}+2\overrightarrow{AC}=\overrightarrow{0}\)
\(-11\overrightarrow{AP}=-3\overrightarrow{AB}-2\overrightarrow{AC}\)
\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{3}{11}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{11}\overrightarrow{AC}\)
\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{5}{11}\left(\frac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{5}\overrightarrow{AC}\right)\)
\(\overrightarrow{AD}=\displaystyle\frac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{5}\overrightarrow{AC}\)
とおくと、点 \(D\) は、\(\triangle{ABC}\) において線分 \(BC\) を \(2:3\) に内分する点とわかる。\(\cdots\) ①
① より
また、\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{5}{11}\overrightarrow{AD}\)
と表されるので、点 \(P\) は、\(\triangle{ABC}\) において線分 \(AD\) を \(5:6\) に内分する点とわかる。 \(\cdots\) ②
② より
以上、①と②を整理して書くと、線分 \(BC\) を \(2:3\) に内分する点を \(D\) とすると、点 \(P\) は線分 \(AD\) を \(5:6\) に内分する点である。
解説
今回の問題では、
式:\(6\overrightarrow{PA}+3\overrightarrow{PB}+2\overrightarrow{PC}=\overrightarrow{0}\)
図:\(\triangle{ABC}\)
上記の式を図に落とし込む必要があります。
そのためにまずは始点を変更してみましょう。今回の問題の式を見てみると、始点が \(P\) になっていますね。このままだと点 \(P\) の位置がよくわかりません。
点 \(P\) の位置をわかりやすくするためには、三角形の頂点(点\(A\))を始点にしましょう。
\(-6\overrightarrow{AP}+3\overrightarrow{AB}-3\overrightarrow{AP}+2\overrightarrow{AC}-2\overrightarrow{AP}=\overrightarrow{0}\)
\(-11\overrightarrow{AP}+3\overrightarrow{AB}+2\overrightarrow{AC}=\overrightarrow{0}\)
\(-11\overrightarrow{AP}=-3\overrightarrow{AB}-2\overrightarrow{AC}\)
\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{3}{11}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{11}\overrightarrow{AC}\)
\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{5}{11}\left(\frac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{5}\overrightarrow{AC}\right)\)
ここまで整理できたら、図に落とし込みましょう。
\(\overrightarrow{AD}=\displaystyle\frac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{5}\overrightarrow{AC}\)
とおくと、点 \(D\) は、\(\triangle{ABC}\) において線分 \(BC\) を \(2:3\) に内分する点とわかる。\(\cdots\) ①
① より
また、\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{5}{11}\) \(\left(\displaystyle\frac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{5}\overrightarrow{AC}\right)\)
に \(\overrightarrow{AD}=\) \(\displaystyle\frac{3}{5}\overrightarrow{AB}+\frac{2}{5}\overrightarrow{AC}\) を代入すると、
\(\overrightarrow{AP}=\displaystyle\frac{5}{11}\overrightarrow{AD}\)
と表されるので、ここまで整理できたら、図に落とし込みましょう。
② より
①:点 \(D\) は、\(\triangle{ABC}\) において線分 \(BC\) を \(2:3\) に内分する点とわかる。
②:点 \(P\) は、\(\triangle{ABC}\) において線分 \(AD\) を \(5:6\) に内分する点とわかる。
以上、①と②を整理して書くと、
線分 \(BC\) を \(2:3\) に内分する点を \(D\) とすると、点 \(P\) は線分 \(AD\) を \(5:6\) に内分する点である。
おわりに
今回は、位置ベクトルについての問題でした。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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