ベクトル方程式
今回は、ベクトルが含まれた方程式についての問題です。
ベクトル方程式は、ベクトルの中でも特に難しい単元ですね。しかし、ベクトルは大きさと向きを表すものという定義をしっかりと押さえておけば決して理解できない単元ではないです!
ベクトルの定義などの基本を復習したい方はこちらをチェック
ベクトル方程式とは?
ベクトル方程式とは、ベクトルを含んだ方程式です。
ベクトル方程式ってなにがなんだかわからない…
問題を見てもなにを求めればいいのかわからない…
難しく考えるとなんなのかがわからなくなってきます…
シンプルに考えましょう!ベクトル方程式とは、直線の方程式や円の方程式などの式はベクトルを用いて表すことができるんだよ!ってだけの話です。
直線の方程式を求める問題は、中学生の時や数学Ⅱ でも扱いましたね。
直線と方程式についてはこちらをチェック
直線のベクトル方程式
直線上の任意の点 \(P\) の位置ベクトルを \(\overrightarrow{p}\) とし、\(s\) と \(t\) を実数の変数とする。
公式 ① 定点 \(\overrightarrow{a}\) を通り、\(\overrightarrow{0}\) でないベクトル \(\overrightarrow{d}\) に平行な直線
\(\overrightarrow{p}=\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{d}\)
\(\overrightarrow{d}\) は直線の方向ベクトル
公式② 異なる \(2\) 点 \(A(\overrightarrow{a})\), \(B(\overrightarrow{b})\) を通る直線
\(\overrightarrow{p}=(1-t)\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}\) または
\(\overrightarrow{p}=s\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}\) \((s+t=1)\)
公式③ 定点 \(A(\overrightarrow{a})\) を通り、\(\overrightarrow{0}\) でないベクトル \(\overrightarrow{n}\) に垂直な直線
\(\overrightarrow{n}\cdot (\overrightarrow{p}-\overrightarrow{a})=0\)
\(\overrightarrow{n}\) は直線の法線ベクトル
公式 ① の説明
求めたい直線は点 \(P\) の集まりです。赤線(\(\overrightarrow{a}\))で表しています。点 \(P\) の位置ベクトルを \(\overrightarrow{p}\) と表す。そして、\(\overrightarrow{p}\) は求めたい直線上を移動します。
【目標】
「\(\overrightarrow{p}\) が直線上のどこを指していても、成り立つようなベクトルを含んだ方程式を立てる。」
直線上の任意の点\(A\) の位置ベクトルを \(\overrightarrow{a}\) とおくと上図のようになる。
また、求めたい直線に平行なベクトル \(\overrightarrow{d}\) を適当に書いておく。すると、線分 \(AP\) に \(t\overrightarrow{d}\) と表すことができる。
したがって、無駄な部分を排除して見てみると、
\(\overrightarrow{a}\) + \(t\overrightarrow{d}\) = \(\overrightarrow{p}\)
\(\overrightarrow{p}\) = \(\overrightarrow{a}\) + \(t\overrightarrow{d}\)
となります。
おすすめ数学テキスト
>>【理系大学向け】レベル別おすすめの数学参考書
ベクトル方程式の問題
点 \(A(-4\), \(2)\) を通り、ベクトル \(\overrightarrow{d}=(3\), \(-1)\) に平行な直線の方程式を求めよ。
答案の例
\((x\), \(y)=(-4\), \(2)+t(3\), \(-1)\) よって、媒介変数を \(t\) とおくと、
\(\begin{cases} x=-4+3t\cdots①\\ y=2-t\cdots②\end{cases}\)
②より \(t=2-y\)
①に代入する
\(x=-4+3(2-y)\)
\(x=-4+6-3y\)
\(x+3y-2=0\)
解説
図にすると、
求めたいベクトルを成分表示させると、\(\overrightarrow{p}=(x\), \(y)\) とおける
\(\overrightarrow{p}=\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{d}\) とかけるので、
\((x\), \(y)=(-4\), \(2)+t(3\), \(-1)\)
媒介変数を \(t\) とおき、\(x\) 座標と \(y\) 座標それぞれを式にすると、
※ 媒介変数とは、一つの式を二つに分けるための変数
\(\begin{cases} x=-4+3t\cdots①\\ y=2-t\cdots②\end{cases}\)
\(t\) を消去する
②より \(t=2-y\)
①に代入する \(x=-4+3(2-y)\)
\(x=-4+6-3y\)
\(x+3y-2=0\)
おわりに
今回は、ベクトルが含まれた方程式についての問題でした。
さいごまで記事を読んでいただきありがとうございました!
「30分で集中力が切れてしまう方へ」
勉強の集中力UPのために
子供に集中して宿題をさせるために
会議やプレゼンのタイムマネジメントのために
質問や感想はコメントへ!