【極限】無限級数

無限数列 $\{a_n\}$ において、各項を前から順に記号 $+$ で結んで得られる式 [(A) の右辺] を無限級数といい、${\displaystyle \sum _{n=1}^{\mathrm{\infty }}{a}_n}$ とも書く。また、 $a_1$ をその初項、$a_n$ を第 $n$ 項といい、数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ を、第 $n$ 項までの部分和という。そして、無限級数の収束・発散を上のように定義する。

例）収束する無限級数

第 $n$ 項までの部分和を $S_n$ とする。

${\displaystyle \frac{1}{k(k+1)}=\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}}$ から

よって、${\displaystyle \underset{n\to \mathrm{\infty }}{lim}{S}_n=\underset{n\to \mathrm{\infty }}{lim}(1-\frac{1}{n+1})=1}$

ゆえに、この無限級数は収束して、和は $1$

例）発散する無限級数

　${\displaystyle \sum _{n=1}^{\mathrm{\infty }}n=1+2+3+\cdots +n+\cdots }$

第 $n$ 項までの部分和を $S_n$ とすると、

　$S_n={\displaystyle \frac{1}{2}n(n+1)}$ であるから、数列 $\{S_n\}$ は発散する。

よって、この無限級数は発散する。

① の証明　$a_n=S_n-S_{n-1}$ $(n\ge 2)$ であり、

${\displaystyle \sum _{n=1}^{\mathrm{\infty }}{a}_n=S}$ とすると、

② は ① の対偶であるから成り立つ。なお、①、②ともに逆は成立しない。

例えば、数列 $\{{\displaystyle \frac{1}{n}\}}$ は ${\displaystyle \underset{n\to \mathrm{\infty }}{lim}\frac{1}{n}=0}$ であるが、${\displaystyle \sum _{n=1}^{\mathrm{\infty }}\frac{1}{n}=\mathrm{\infty }}$ である。