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【三角関数】『最大値・最小値』サイン+コサインを別の文字に変換して解く三角関数の問題

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

三角関数の最大・最小

今回は \(\sin\theta+\cos\theta\) を文字に変換して解く関数問題です!

\(\sin\theta+\cos\theta\) を \(t\) などの別の文字に変換することにより、\(\theta\) の式を \(t\) の式で表すことできます。\(t\) で表されてる方が、\(\theta\) で表された式よりも計算がしやすいですね!

サイン+コサインから求められるもの

\(t=\sin\theta+\cos\theta\) の両辺を \(2\) 乗してみる。

\(t^2=(\sin\theta+\cos\theta)^2\)

 \(=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta\)

ここで、\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より

 \(=1+2\sin\theta\cos\theta\)

このことより、

\(t^2-1=2\sin\theta\cos\theta\)

\(\sin\theta\cos\theta=\displaystyle\frac{t^2-1}{2}\)

このように、両辺を \(2\) して、\(\sin\theta\cos\theta\) を求める解法は、頻出となるので確実に押さえましょう。

三角関数を学ぶにあたって〜これまでの復習〜

↓三角比とは?という部分でつまづいてる人はこちら

三角関数の最大・最小(問題)

関数 \(f(\theta)=\sin2\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\) を考える。

ただし、\((0\leq \theta \leq 2\pi)\) とする。

(1) \(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくとき、\(f(\theta)\) を \(t\) の式で表せ。

(2) \(f(\theta)\) の最大・最小を求めよ。また、そのときの \(\theta\) を求めよ。

答案の例

(1) \(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくとき、\(f(\theta)\) を \(t\) の式で表せ。

\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より

\(t^2=(\sin\theta+\cos\theta)^2\)
 \(=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos2\theta\)

\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より

 \(=1+2\sin\theta\cos\theta\)

\(\sin\theta\cos\theta=\displaystyle\frac{t^2-1}{2}\) \(\cdots\) ※

\(f(\theta)=\sin2\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)
 \(=2\sin\theta\cos\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)

※ を代入すると、

\(f(t)=2\times\displaystyle\frac{t^2-1}{2}+2\times t-1\)

よって、

\(f(t)=t^2-1+2t-1\)
 \(=t^2+2t-2\)

(2) \(f(\theta)\) の最大・最小を求めよ。また、そのときの \(\theta\) を求めよ。

\(f(t)=t^2+2t-2=(t+1)^2-3\)

頂点 \((-1\), \(-3)\)

また、\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より

\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)

よって、\(-\sqrt{2}\leq t\leq\sqrt{2}\)

以上のことを踏まえて、グラフを描く。

f:id:smohisano:20210731214614p:plain

グラフより、

\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)

\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値なので、

\(f(\sqrt{2})=(\sqrt{2})^2+2\sqrt{2}-2\)
 \(=2+2\sqrt{2}-2=2\sqrt{2}\)

よって、まとめると、

\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)
\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)

\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\) より

\(t=-1\) を代入すると、

\(-1=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{5}{4}\pi\), \(\displaystyle\frac{7}{4}\pi\)
\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\)

\(t=\sqrt{2}\) を代入すると、

\(\sqrt{2}=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(1=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{1}{2}\pi=\displaystyle\frac{\pi}{2}\)

したがって、

\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\) のとき最小値 \(-3\)

\(\theta=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)

解説

(1) \(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくとき、\(f(\theta)\) を \(t\) の式で表せ。

\(t=\sin\theta+\cos\theta\) とおくだけだと \(\sin2\theta\) の部分を変換しきれません。\(\sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta\) と考えて、\(\sin\theta\cos\theta\) をどう表すかを考えていきます。

\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より

両辺を \(2\) 乗すると、

\(t^2=(\sin\theta+\cos\theta)^2\)
 \(=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos2\theta\)

\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より

 \(=1+2\sin\theta\cos\theta\)

\(\sin\theta\cos\theta=\displaystyle\frac{t^2-1}{2}\) \(\cdots\) ※

\(f(\theta)=\sin2\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)
 \(=2\sin\theta\cos\theta+2(\sin\theta+\cos\theta)-1\)

※ を代入すると、

\(f(t)=2\times\displaystyle\frac{t^2-1}{2}+2\times t-1\)

よって、\(f(t)=t^2-1+2t-1=t^2+2t-2\)

(2) \(f(\theta)\) の最大・最小を求めよ。また、そのときの \(\theta\) を求めよ。

(1) で変形した式を用います。\(t\) の式に変換されているため、二次関数の最大・最小をまずは求めます。

\(f(t)=t^2+2t-2=(t+1)^2-3\)

頂点 \((-1\), \(-3)\)

↓平方完成を確認したい人はこちら

また、\(t=\sin\theta+\cos\theta\) より

合成すると、\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)

↓三角関数の合成の確認をしたい人はこちら

よって、\(-\sqrt{2}\leq t\leq\sqrt{2}\)

以上のことを踏まえて、グラフを描く。

f:id:smohisano:20210731214614p:plain

グラフより、

\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)

\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値なので、

\(f(\sqrt{2})=(\sqrt{2})^2+2\sqrt{2}-2\)
 \(=2+2\sqrt{2}-2=2\sqrt{2}\)

よって、まとめると、

\(t=-1\) のとき最小値 \(-3\)
\(t=\sqrt{2}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)

\(t=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\) より

\(t=-1\) を代入すると、

\(-1=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{5}{4}\pi\), \(\displaystyle\frac{7}{4}\pi\)
\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\)

\(t=\sqrt{2}\) を代入すると、

\(\sqrt{2}=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)

\(1=\sin\left(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\)
\(\theta+\displaystyle\frac{\pi}{4}=\displaystyle\frac{1}{2}\pi=\displaystyle\frac{\pi}{2}\)

したがって、

\(\theta=\pi\), \(\displaystyle\frac{3}{2}\pi\) のとき最小値 \(-3\)
\(\theta=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) のとき最大値 \(2\sqrt{2}\)

おわりに

今回は、サイン+コサインを文字において変換する関数問題でした。

必要な公式

・三角比の相互関係

・平方完成

・三角関数の合成

これらの公式が理解できていないと難しく感じたかもしれません。

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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