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【微分法】導関数の計算

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

導関数の計算

導関数の計算は数学Ⅱでも扱いましたが、数学Ⅲではより複雑な計算を扱います。

公式や性質をまとめていますので確認してみてください!

以下、関数 \(f(x)\), \(g(x)\) は微分可能であるとする。

導関数の性質

\(k\), \(l\) を定数とする。

① 定数倍 \(\{kf(x)\}’=kf'(x)\)

② 和 \(\{f(x)+g(x)\}’=f'(x)+g'(x)\)
  特に \(\{f(x)-g(x)\}’=f'(x)-g'(x)\)

③ \(\{kf(x)+lg(x)\}’=kf'(x)+lg'(x)\)

証明

① の証明

\(\{kf(x)\}’=\displaystyle\lim_{h\to 0}\frac{kf(x+h)-kf(x)}{h}\)

 \(=k\displaystyle\lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=kf'(x)\)

② の証明

\(\{f(x)+g(x)\}’=\displaystyle\lim_{h\to 0}\frac{\{f(x+h)+g(x+h)\}-\{f(x)+g(x)\}}{h}\)

\(=\displaystyle\lim_{h\to 0}\big\{\frac{f(x+h)-f(x)}{h}+\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\big\}\)

 \(=f'(x)+g'(x)\)

積の導関数

\(\{f(x)g(x)\}’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)\)

証明

\(\{f(x)g(x)\}’\)

\(=\displaystyle\lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x)}{h}\)

\(=\displaystyle\lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x+h)+f(x)g(x+h)-f(x)g(x)}{h}\)

\(=\displaystyle\lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}\cdot g(x+h)+f(x)\cdot\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\)

ここで、\(\displaystyle\lim_{h\to 0}g(x+h)=g(x)\) より

\(\{f(x)g(x)\}’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)\)

商の導関数

\(\big\{\displaystyle\frac{f(x)}{g(x)}\big\}’=\frac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{\{g(x)\}^2}\)

特に、\(\big\{\displaystyle\frac{1}{g(x)}\big\}’=-\frac{g'(x)}{\{g(x)\}^2}\)

証明

まず、\(\big\{\displaystyle\frac{1}{g(x)}\big\}’=-\frac{g'(x)}{\{g(x)\}^2}\) を証明する。

\(\big\{\displaystyle\frac{1}{g(x)}\big\}’=\displaystyle\lim_{h\to 0} \frac{1}{h}\big\{\frac{1}{g(x+h)}-\frac{1}{g(x)}\big\}\)

 \(=\displaystyle\lim_{h\to 0}\frac{g(x)-g(x+h)}{hg(x+h)g(x)}\)

\(=\displaystyle\lim_{h\to 0}\big\{-\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\cdot\frac{1}{g(x+h)g(x)}\big\}\)

 \(=-g'(x)\cdot\displaystyle\frac{1}{g(x)g(x)}=-\frac{g'(x)}{\{g(x)\}^2}\)

ゆえに、

\(\big\{\displaystyle\frac{f(x)}{g(x)}’\big\}=\big\{f(x)\cdot\frac{1}{g(x)}\big\}’\)

 \(=f'(x)\cdot\displaystyle\frac{1}{g(x)}+f(x)\cdot\big\{\frac{1}{g(x)}\big\}’\)

 \(=\displaystyle\frac{f'(x)}{g(x)}+f(x)\cdot\frac{-g'(x)}{\{g(x)\}^2}\)

 \(=\displaystyle\frac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{\{g(x)\}^2}\)

合成関数の導関数

\(y=f(u)\) が \(u\) の関数として微分可能、\(u=g(x)\) が \(x\) の関数として微分可能であるとき、合成関数 \(y=f(g(x))\) も \(x\) の関数として微分可能で

 \(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{du}\frac{du}{dx}\)

すなわち \(\{f(g(x))\}’=f'(g(x))g'(x)\)

解説

\(x\) の増分 \(\Delta x\) に対する \(u=g(x)\) の増分を \(\Delta u\), \(u\) の増分 \(\Delta u\) に対する \(y=f(u)\) の増分を \(\Delta y\) とすると、\(u=g(x)\) は連続であるから、\(\Delta x\longrightarrow 0\) となる。よって、

\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\lim_{\Delta x\to 0}\frac{\Delta y}{\Delta x}=\lim\big(\frac{\Delta y}{\Delta u}\cdot\frac{\Delta u}{\Delta x}\big)=\big(\displaystyle\lim_{\Delta u\to 0}\frac{\Delta y}{\Delta u}\big)\big(\lim_{\Delta x\to 0}\frac{\Delta u}{\Delta x}\big)=\displaystyle\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\)

一般に、

\(\{f(g(x))\}’=f'(g(x))\cdot g'(x)\)

\(\displaystyle\frac{d}{dx} f(y)=f'(y)\cdot\frac{dy}{dx}\)

逆関数の微分法

微分可能な関数 \(y=f(x)\) の逆関数 \(y=f^{-1}(x)\) が存在するとき

 \(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}\)

証明

\(y=f^{-1}x\) から \(x=f(y)\)

両辺を \(x\) で微分すると

(左辺)\(=\displaystyle\frac{d}{dx} x=1\)

(右辺)\(=\displaystyle\frac{d}{dx}f(y)=\frac{d}{dy}f(y)\cdot\frac{dy}{dx}=\frac{dx}{dy}\cdot\frac{dy}{dx}\)

ゆえに、

 \(1=\displaystyle\frac{dx}{dy}\cdot\frac{dy}{dx}\)

よって、

 \(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\displaystyle\frac{dx}{dy}}\)

\(x^p\) の導関数

\(p\) が有理数のとき

 \((x^p)’=px^{p-1}\)

(証明は割愛)

導関数の計算の問題

次の関数を微分せよ。

(1) \(y=x^4+2x^3-3x\)

(2) \(y=(2x-1)(x^2-x+3)\)

(3) \(y=\displaystyle\frac{2x-3}{x^2+1}\)

(4) \(y=\displaystyle\frac{2x^3+x-1}{x^2}\)

(解説)

(1) \(y=x^4+2x^3-3x\)

\(y’=4x^3+2\cdot 3x^2-3\cdot 1x^0\)

 \(=4x^3+6x^2-3\)

(2) \(y=(2x-1)(x^2-x+3)\)

\(y’=(2x-1)'(x^2-x+3)+(2x-1)(x^2-x+3)’\)

 \(=2(x^2-x+3)+(2x-1)(2x-1)\)

 \(=(2x^2-2x+6)+(4x^2-4x+1)\)

 \(=6x^2-6x+7\)

(3) \(y=\displaystyle\frac{2x-3}{x^2+1}\)

\(y’=\displaystyle\frac{(2x-3)'(x^2+1)-(2x-3)(x^2+1)’}{(x^2+1)^2}\)

 \(=\displaystyle\frac{2(x^2+1)-(2x-3)\cdot 2x}{(x^2+1)^2}\)

 \(=\displaystyle\frac{-2x^2+6x+2}{(x^2+1)^2}\)

(4) \(y=\displaystyle\frac{2x^3+x-1}{x^2}\)

\(y=\displaystyle\frac{2x^3}{x^2}+\frac{x}{x^2}-\frac{1}{x^2}\)

 \(=2x+\displaystyle\frac{1}{x}-\frac{1}{x^2}\)

\(y’=2+\displaystyle\frac{-1}{x^2}-\frac{-2x}{x^4}\)

 \(=2-\displaystyle\frac{1}{x^2}+\frac{2}{x^3}\)

 \(=\displaystyle\frac{2x^3-x+2}{x^3}\)

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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