2変数関数の最大最小
今回は、\(x+y\) の最大値・最小値を求める問題です。これまでは、
\(y=x^2+4x+1\) の最大値・最小値を求めなさい。
という問題が一般的でしたね。
\(2\) 次関数の最小値なら、放物線を描いて一番低いところを…とイメージがつきますが、
\(x+y\) の最大・最小と言われてもピンとこないですね。
2変数関数の最大値・最小値のポイント
最大値・最小値を求めるために、グラフを描けるような形にします。\(k=x+y\)
と置くことにより、\(y=-x+k\) と式変更することができます。
すると、
「不等式の領域を満たすとき \(x+y\) の最大値・最小値を求めよ。」を
「不等式の領域を満たすとき \(y=-x+k\) の切片 \(k\) の最大値・最小値を求めよ。」と言い換えることができます
2変数関数の最大最小(問題)
\(x\), \(y\) が \(2\) つの不等式 \(x^2+y^2\leq 10\), \(y\geq -2x+5\) を満たすとき、\(x+y\) の最大値および最小値を求めよ。
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2変数関数の最大最小(答案の例)
\(x^2+y^2\leq 10\) \(\cdots\) ①
\(y\geq -2x+5\) \(\cdots\) ② とおくと、① と ② の共通部分は、
\(x+y=k\) とおくと \(y=-x+k\) と変形できる。
直線 \(y=-2x+5\)と円 \(x^2+y^2=10\) の交点について、
\(x^2+(-2x+5)^2=10\)
\(x^2+4x^2-20x+25=10\)
\(5x^2-20x+15=0\)
\(x^2-4x+3=0\)
\((x-3)(x-1)=0\)
\(x=3\), \(1\)
そして、
\(x=3\) のとき、\(y=-2x+5\) に代入すると、\(y=-1\)
\(x=1\) のとき、\(y=-2x+5\) に代入すると、\(y=3\) となる。
\(x=3\), \(y=-1\) を \(x+y=k\) に代入すると、\(k=3+(-1)=2\)
\(x=1\), \(y=3\) を \(x+y=k\) に代入すると、\(k=1+3=4\)
よって、
\(x=3\), \(y=-1\) の時、最小値 \(2\)
\(x=1\), \(y=3\) の時、最大値 \(4\)
2変数関数の最大最小(解説)
不等式の領域を図示するために、① と ② それぞれの範囲を描く。
\(x^2+y^2\leq 10\) \(\cdots\) ①
\(y\geq -2x+5\) \(cdots\) ②
① と ② の共通部分は、
図示された領域の中で、\(x+y\) の最小値・最大値を求める。
\(x+y=k\) とおくと \(y=-x+k\) と変形できる。
「\(x+y\) の最小値・最大値を求めよ。」を言い換えると、
「\(y=-x+k\) の切片 \(k\) の最小値・最大値を求めよ。」となる。
図示された領域内に含まれるように、直線 \(y=-x+k\) を動かす。
直線 \(y=-2x+5\)と円 \(x^2+y^2=10\) の交点について、
\(x^2+(-2x+5)^2=10\)
\(x^2+4x^2-20x+25=10\)
\(5x^2-20x+15=0\)
\(x^2-4x+3=0\)
\((x-3)(x-1)=0\)
\(x=3\), \(1\)
そして、
\(x=3\) のとき、\(y=-2x+5\) に代入すると、\(y=-1\)
\(x=1\) のとき、\(y=-2x+5\) に代入すると、\(y=3\)となる。
直線 ①〜③ の中で切片が最小値になるのは、③ となる。
直線 ③ の通る点は、\(x=3\), \(y=-1\) なので、
\(x+y=k\) に代入して、\(k=3+(-1)=2\) が最小値
同様にして、
直線 ①〜③ の中で切片が最大値になるのは、①となる。
直線 ① の通る点は、\(x=1\), \(y=3\) なので、
\(x+y=k\) に代入して、\(k=1+3=4\) が最大値
改めてまとめると、
\(x=3\), \(y=-1\) の時、最小値 \(2\)
\(x=1\), \(y=3\) の時、最大値 \(4\)
おわりに
今回は、\(x+y\) の最大値・最小値を求める問題でした。
今回のポイントは
\(x+y=k\) のように、\(k\) と置く
でした。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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