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【二次関数】\(4x+2y^2\) の最大値と最小値

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

\(y=\) (ある文字だけの式)という形を作れ

今回はグラフの最大と最小を求める問題です。

\(2\) 次関数という言葉がタイトルに含まれているため、 \(y=x^2+3x+2\) のように右辺が \(2\) 次式になっているグラフを想定してもらって構いません。
例えば上記のグラフであれば、 \(x^2\) の係数が \(1\) ですので、上に開いたグラフとなります。よって、最小値はグラフの頂点となりますが、最大値は変域がないと求められませんね。

<\(y=x^2+3x+2\) のグラフ>

変域によって範囲が区切られていれば、その中での最大と最小がわかるため、「最大値と最小値を求めなさい。」と言われたら、以下の \(2\) つが必要になるのです。

・ \(y=\) (ある文字だけの式)
・グラフの変域

例えば、\(y=x^2+3x+2\) と( \(-6 \leq x \leq 0\))のような感じです。

これを頭に置きながら、以下の問題を見ていきましょう。

最大値と最小値(問題)

実数 \(x\) 、 \(y\) が \(x^2+y^2=4\) を満たしているとき、 \(4x+2y^2\) の最大値、最小値を求めなさい。また、そのときの \(x\) 、 \(y\) の値を求めなさい。

最大値と最小値(答案の例)

\(x^2+y^2=4\) から、 \(y^2=4-x^2\) となる。

\(y^2 \geq 0\) により、 \(4-x^2 \geq 0 \longrightarrow -2 \leq x \leq 2\)

また、 \(y^2=4-x^2\) により、

 \(4x+2y^2\)
 \(=4x+2(4-x^2)\)
 \(=4x+8-2x^2\)

ここで、 \(z=-2x^2+4x+8\) とすると、

 \(z=-2(x^2-2x)+8\)
 \(=-2(x-1)^2+10\)

により、グラフの頂点は( \(1\) 、 \(10\) )。

また、\(-2 \leq x \leq 2\) により、グラフは以下のような概形となる。

<\(z=-2x^2+4x+8\) の\(-2 \leq x \leq 2\) での最大と最小>

最小値は、 \(x=-2\) における \(z\) の値なので、

 \(z=-2(-2)^2+4 \times -2+8\)
 \(=-8\)

また、最小値をとるときの \(y\) の値は、\(y^2=4-x^2\) により、

 \(y^2=4-(-2)^2\)
 \(=0\)

つまり、 \(y=0\)。同様に、最大値の \(y\) の値は、 \(y=\pm \sqrt{3}\)。

したがって、

 \(x=1\)、 \(y=\pm \sqrt{3}\) のとき、最大値\(10\)
 \(x=-2\)、 \(y=0\) のとき、最小値\(-8\)

をとる。

最大値と最小値(解説)

まず、多くのことが複雑に起こっているので、状況を整理しましょう。

冒頭で、最大・最小を求める際に必要なものは \(2\) つあるという話をしたと思います。
まずはそれらを作っていきましょう。

ひとまず、変域から探っていきます。

変域は、必ず不等式の形になっていますね。
しかし、現在問題文には不等式がありません。

ないのであれば、作ればいいのです。

でも、どうやって??

こういう場合、疑うべきは \(2\) 乗の存在です。
\(2\) 乗すると、どんな数でも \(0\) 以上の数になることは、中学校で学んでいます。

<正の数を \(2\) 乗する場合>
 \(3^2=9\)、 \(5^2=25 \longrightarrow\)正の数

<負の数を \(2\) 乗する場合>
 \((-3)^2=9\)、 \((-5)^2=25 \longrightarrow \)正の数

<\(0\) を \(2\) 乗する場合>
 \(0^2=0\)

よって、問題で登場している \(x^2\) や \(y^2\) は \(0\) 以上の数であることはわかっているわけですね。

しかし今、問題では「\(x^2+y^2\)」となっています。
「片方ずつについては \(0\) 以上の数だけど、足されてるとなぁ・・・」

簡単です。
「\(x^2+y^2=4\)」という方程式に形になっていますので、片方を右辺に移項してしまいましょう。

今回は、 \(x^2\) を移項し、

 \(y^2=4-x^2\)

とします。ここで左辺を見れば、 \(y^2\) だけになりましたので、これは \(0\) 以上の数、つまり、

 \(y^2 \geq 0\)

という不等式を導けるわけです。このようにして、不等号を生み出すのです。そして、\(y^2\)と\(4-x^2\)はイコール(同じ値)ですので、もちろん

 \(4-x^2 \geq 0\)

とも言えるわけですね。これを変形し、

 \(4-x^2 \geq 0\)
 \(x^2-4 \leq 0\)
 \((x-2)(x+2) \leq 0\)
 \(-2 \leq x \leq 2\)

という変域を作ることができます。次に、肝心のグラフを作っていきます。\(4x+2y^2\) の最大と最小を求めるため、このグラフを書けばいいわけですが、今までのグラフを思い浮かべていただけるとわかる通り、

 \(y=x^2+x-2\)
 \(y=x^2+5x-3\)

などのように、

 ① 等式になっている(イコールが含まれている)
 ② 等式の右辺は、文字が \(1\) 種類しか存在していない(今回の例ならば \(x\) )

という特徴をもっています。まず、①について考えていきます。グラフの式がなぜ等式になっているかというと、 \(2\) つの文字の関係性を絵的にわかりやすく表現したいからです。例えば、 \(y=x^2+x-2\) で言えば、仮に \(y=\) の部分がなかったとしましょう。すると、\(x^2+x-2\) となりますね。これだけではグラフを書くことはできませんよね。

ここで、

 \(x=1\) のときは、 \(0\)
 \(x=2\) のときは、\(4\)

のように、 \(x\) の値によって、\(x^2+x-2\) の式の値が出てきます。
この \(0\) 、 \(4\) のような値を座標として平面にとるために、

 \(x=1\) のときは、 \(0 \longrightarrow\) ( \(1,0\))
 \(x=2\) のときは、 \(4 \longrightarrow\) ( \(2,4\))

としたかったのです。そこで、 \(x\) の値によって出てきた \(0\) や \(4\) などの値の総称として、仮に \(y\) という文字を使って表現し、

 \(x=1\) のときは、 \(y=0\)
 \(x=2\) のときは、 \(y=4\)

のようにしました。そうすることで、 \(x\) 座標と \(y\) 座標が生まれ、座標を座標平面にとれるわけです。つまり、今まで \(y=\) という始まりだった式は、\(x\) の値によって出てきた値の総称を仮に \(y\) という文字で表現していたにすぎないので、本来は \(y\) でなくても、他の文字でも全然いいのです。
(みなさんは式と言えば \(y=\) ~というもの、グラフと言えば \(x\) 軸と \(y\) 軸である、という意識が固定化されていると思うので、少し難しく感じてしまうのもわかります。)

例えば、 \(z=x^2+x-2\) 、 \(a=x^2+x-2\) だっていいわけです。その場合は、以下のような座標空間になります。
(縦軸が \(y\) じゃないと、やはり見慣れないですね。)

文字はあくまでもそこにある数を代入しますよ、ということを表すものなので、ちなみに横軸に使われている \(x\) も、本来は別の文字でも良かったりします。

さて、話を元に戻しましょう。

イコールになっていない状態の\(4x+2y^2\) を見た時、仮にこの \(x\) と \(y\) に何か数を代入して出てきた値の総称を \(z\) として、式を作って見ると、

 \(z=4x+2y^2\)

となります。しかしこれでは、文字が \(3\) 種類含まれているため、上のような座標平面で表現できません。ここで、右辺の文字を \(1\) 種類に統一する必要があるわけですが、その話が上記の②とつながってきます。\(1\) 種類のみで式を作るには、 \(x\) か \(y\) のどちらかを削る必要がありますが、ちょうどこの解説の前半で、

 \(y^2=4-x^2\)

という式が出てきていますね。これを使って \(y\) を消去するように式を変形すると、

 \(z=4x+2(4-x^2)\)
 \(z=-2x^2+4x+8\)

となりますね。よって、このグラフを書いて、上記で求めた\(-2 \leq x \leq 2\)という変域の中で、最大と最小を求めればいいというわけです。平方完成をして、グラフの頂点を求めてみると、

 \(z=-2(x^2-2x)+8\)
 \(=-2(x-1)^2+10\)

により、頂点は( \(1\) 、 \(10\) )だとわかります。変域を含んだ図は、答案の例に書いてあるような形になります。さて、ここでの最大と最小を求めるわけですが、最小値は \(x=-2\) の時の \(z\) の値、最大値は \(x=1\) のときの \(z\) の値となりますね。

つまり、

 \(z=-8\) が最小で、そのときの \(x\) は \(-2\) 、
 \(z=10\) が最大で、そのときの \(x\) は \(1\)

ということになります。しかし、 \(y\) の値がまだ求められていないため、\(y^2=4-x^2\) を使って、 \(y\) を求めていきます。

 \(x=-2\) のとき、 \(y=0\)
 \(x=1\) のとき、 \(y=\pm \sqrt{3}\)

となるわけですね。

この手の問題は、条件式をどう使うかが鍵です。
ぜひたくさんのパターンに触れながら、傾向を掴んでいきましょう。

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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