メニュー
yu-to
管理者
本ブログを運営しているyu-toと申します。

高校数学の解説や公務員試験問題の解説、データサイエンスについての記事を書いていきます!

「データサイエンス×教育」に興味があり、日々勉学に励んでいます。

少しでも役に立つ情報の発信をしていきますのでぜひ読んでください。

また、同志からのお声がけはとても励みになります。ぜひ、コメントやメール、SNS等でご連絡ください!
カテゴリー
統計学初学者サポートこちらをクリック

【整数の性質】『約数と倍数』最大公約数と最小公倍数の利用

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

最大公約数と最小公倍数の利用

今回は最大公約数と最小公倍数が与えられている中で特定の \(2\) 数を求める問題です!

以前、最大公約数と最小公倍数に関する記事は書きましたが、今回はその記事とは逆の思考をしていく問題になっています。こちらの方が少し考え方は繊細ですが、大事なことは変わりません。情報を見落とさないようにしながら、一つひとつ条件を整理していきましょう。

最大公約数

自然数 \(A\), \(B\) の最大公約数を \(g\) とすると、

 \(A=ag\), \(B=bg\) (\(a\), \(b\) は互いに素の自然数)

例)\(12\) と \(18\) の最大公約数は \(6\) より

\(12=6\cdot 2\), \(18=6\cdot 3\) (\(2\), \(3\) は互いに素の自然数)

最小公倍数

\(A\), \(B\) の最小公倍数を \(l\) とすると、

 \(l=gab=Ab=aB\)

例)\(12\) と \(18\) の最小公倍数は \(36\) より

 \(36=6\cdot 2\cdot 3=12\cdot 3=18\cdot 2\)

最大公約数の最小公倍数の利用の問題

最大公約数が \(18\) 、最小公倍数が \(360\) である \(2\) つの自然数 \(a\) 、 \(b\) の組をすべて求めなさい。ただし、 \(a <b\) とする。

答案の例

最大公約数が \(18\) なので、 \(a\) と \(b\) は

 \(a=18m\) 、 \(b=18n\) (ただし、 \(m,n\) は互いに素)

と表わされる。次に最小公倍数が \(360\) なので、

 \(360=18mn\)

となる。これにより、 \(mn=20\) なので、 \(m,n\) の組み合わせは、

( \(m\) 、 \(n\))=( \(1\) 、 \(20\))( \(4\) 、 \(5\))

よって、\(a\) と \(b\) の組み合わせは、

( \(a\) 、 \(b\))=( \(18\) 、 \(360\))( \(72\) 、 \(90\))

解説

この問題では、数学的知識を適切に理解し、それらをうまく使う力が求められます。答案を見ると、短くて解きやすいように思えますが、その中には多くの引っ掛かりやすいポイントや式を作る上での注意点があります。

一つひとつ見ていきましょう。

まず、問題の条件を整理する部分はどの問題でも変わりません。つまり、最大公約数と最小公倍数という言葉を使って式を作成するくだりは変わらないわけです。

最大公約数の部分ですが、これはお互いに割り切れる共通の自然数の中で最も大きいもの、という意味ですね。このことから、 \(a\) と \(b\) はひとまず \(18\) の倍数であることがわかります。つまり、 \(m\) や \(n\) を使い、

 \(a=18m\), \(b=18n\)

のように表現できます。ここで \(m\) と \(n\) のように別々の文字を使って表現しているのは、もし \(1\) つの文字で表してしまうと、\(a\) も \(b\) も \(18n\) のようになり、全く同じ数という置き方になってしまうからです。

さらに \(m\) と \(n\) に関して、これらに共通の約数が存在してしまうと、最大の公約数が \(18\) という言葉に反してしまうので、 \(m\) と \(n\) は互いに素であるという制約を追加しておきます。

そして最小公倍数の部分ですが、これは具体例を通して説明していきます。

\(m\) と \(n\) に具体的に何かの数が代入されたものを例にすると、以下の \(2\) パターンの可能性が考えられます。

<\(m\) と \(n\) が互いに素でない場合>

例えば \(m=2\) 、 \(n=6\) のとき、 \(a\) と \(b\) は

\(a=18 \times 2\)
\(b=18 \times 6\)

よって \(2\) 数は、以下の考えにより \(108\) で最初に一致することがわかります。

\(a=18 \times 2\) \(\times 3\) \(=108\)
\(b=18 \times 6=108\)

<\(m\) と \(n\) が互いに素である場合>

例えば \(m=2\) 、 \(n=3\) のとき、 \(a\) と \(b\) は

\(a=18 \times 2\)
\(b=18 \times 3\)

よって \(2\) 数は、以下の考えにより \(108\) で最初に一致することがわかります。

\(a=18 \times 2\) \(\times 3\) \(=108\)
\(b=18 \times 3\) \(\times 2\) \(=108\)

ここで伝えたかった考え方は、\(m\) と \(n\) が互いに素である場合、お互いの数を掛け合わせた \(mn\) が最小公倍数になるということです。今回は、最大公約数が \(18\) という条件も加えた上で考えているので、上記の例の \(2\) と \(3\) をそれぞれ \(m\) と \(n\) に戻した、

\(18mn\)

という式が \(a\) と \(b\) の最小公倍数ということになりますね。よって、問題ではそれが \(360\) となっているため、

\(360=18mn\)

となります。これにより、 \(mn=20\) となるわけです。

あとは、掛けて \(20\) になる自然数の組み合わせを探せばいいので、

( \(m\) 、 \(n\))=( \(1\) 、 \(20\))( \(2\) 、 \(10\))( \(4\) 、 \(5\))

となりますが、 \(m\) と \(n\) は互いに素であるという条件があるので、( \(2\) 、 \(10\))は答えから外れます。よって、

( \(m\) 、 \(n\))=( \(1\) 、 \(20\))( \(4\) 、 \(5\))

となるため、

( \(a\) 、 \(b\))=( \(18\) 、 \(360\))( \(72\) 、 \(90\))

となります。

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

【最新】こちらの記事がおすすめ!

>>

  • URLをコピーしました!
目次