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【複素数と方程式】『高次方程式』組立除法を使った解法

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

組立除法

\(P(x)\) が \(n\) 次の整式のとき、方程式 \(P(x)=0\) を \(n\) 次方程式という。また、\(3\) 次以上の方程式を高次方程式という。

高次方程式 \(P(x)=0\) の解法の基本

\(P(x)\) を、公式や置き換え、因数定理を用いて、\(P(x)=A(x)B(x)\) と因数分解できるなら

\(P(x)=0\)
\(\longleftrightarrow\) \(A(x)=0\) または \(B(x)=0\)
\(\longleftrightarrow\) \(A(x)=0\) と \(B(x)=0\) を解く

例)\(P(x)=x^2+5x+6\) について

\(P(x)=0\)
\(\longleftrightarrow\) \(P(x)=(x+2)(x+3)=0\)
\(\longleftrightarrow\) \(A(x)=x+2=0\) または \(B(x)=x+3=0\)
\(\longleftrightarrow\) \(x=-2\) または \(x=-3\)

方程式は因数分解して各因数(\(A(x)\), \(B(x)\), \(\cdots\))を解く。

問題と解説

問題と解説 LEVEL1

問題)次の方程式を解け。

(1) \(x^3=27\)
(2) \(x^4-x^2-6=0\)
(3) \(x^4+x^2+4=0\)

解説)

(1) \(x^3=27\)

\(x^3-27=0\)
\((x-3)(x^2+3x+9)=0\)

因数分解の公式を確認したい方はこちら

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よって、\(x-3=0\) または \(x^2+3x+9=0\)

\(x-3=0\) より \(x=3\)

\(x^2+3x+9=0\) より

\(x=\displaystyle\frac{-3\pm\sqrt{3^2-4\cdot 9}}{2}\)

\(=\displaystyle\frac{-3\pm 3\sqrt{3}i}{2}\)

したがって、\(x=3\), \(\displaystyle\frac{-3\pm 3\sqrt{3}i}{2}\)

(2) \(x^4-x^2-6=0\)

\(x^2=A\) とおくと、\(A^2-A-6=0\)

\((A-3)(A+2)=0\) より \(A=3\), \(-2\)

\(x^2=3\) から \(x=\pm\sqrt{3}\)
\(x^2=-2\) から \(x=\pm\sqrt{2}i\)

したがって、\(x=\pm\sqrt{3}\), \(\pm\sqrt{2}i\)

(3) \(x^4+x^2+4=0\)

\(x^2=A\) とおくと、 \(A^2+A+4=0\) となる。ここまでは、(2) と同様だがここから因数分解が不可

\(x^4+x^2+4=(x^2+2)^2-3x^2\)

\(=(x^2+2+\sqrt{3}x)(x^2+2-\sqrt{3}x)\)
\(=(x^2+\sqrt{3}x+2)(x^2-\sqrt{3}x+2)=0\)

ゆえに、\((x^2+\sqrt{3}x+2)=0\) または \((x^2-\sqrt{3}x+2)=0\)

\(x^2+\sqrt{3}x+2=0\) から \(x=\displaystyle\frac{-\sqrt{3}\pm\sqrt{5}i}{2}\)

\(x^2-\sqrt{3}x+2=0\) から \(x=\displaystyle\frac{\sqrt{3}\pm\sqrt{5}i}{2}\)

したがって、\(x=\displaystyle\frac{-\sqrt{3}\pm\sqrt{5}i}{2}\), \(\displaystyle\frac{\sqrt{3}\pm\sqrt{5}i}{2}\)

問題と解説 LEVEL2

問題)次の方程式を解け。

(1) \(x^3+3x^2+4x+4=0\)
(2) \(2x^4+5x^3+5x^2-2=0\)

(1) \(x^3+3x^2+4x+4=0\)

\(P(x)=x^3+3x^2+4x+4\) とおくと、

\(P(-2)=(-2)^3+3\cdot (-2)^2+4\cdot (-2)+4=0\) より

① \(P(x)=0\) となる \(x\) を見つける。\(x=-2\), \(-1\), \(0\), \(1\), \(2\) あたりを代入してみましょう。

② \(P(-2)=0\) のとき、因数定理より \(P(x)=(x+2)(\ast\ast\ast)\) となる。

組立除法より、\(P(x)=(x+2)(x^2+x+2)=0\)

\(x+2=0\) または \(x^2+x+2=0\)

\(x+2=0\) から \(x=-2\)

\(x^2+x+2=0\) から \(x=\displaystyle\frac{-1\pm\sqrt{7}i}{2}\)

したがって、\(x=-2\), \(\displaystyle\frac{-1\pm\sqrt{7}i}{2}\)

(2) \(2x^4+5x^3+5x^2-2=0\)

\(P(x)=2x^4+5x^3+5x^2-2\) とおくと、

\(P(-1)=2\cdot (-1)^4+5\cdot (-1)^3+5\cdot (-1)^2-2=0\) より

組立除法より、\(P(x)=(x+1)(2x^3+3x^2+2x-2)=0\)

\(x+1=0\) または \(2x^3+3x^2+2x-2=0\)

\(Q(x)=2x^3+3x^2+2x-2=0\) とおくと、

\(Q(\frac{1}{2})=2\cdot (\frac{1}{2})^3+3\cdot (\frac{1}{2})^2+2\cdot\frac{1}{2}-2=0\) より

組立除法より、

\(Q(x)=(x-\frac{1}{2})(2x^2+4x+4)=(2x-1)(x^2+2x+2)\)

よって、\(P(x)=(x+1)(2x-1)(x^2+2x+2)=0\)

\(x+1=0\) または \(2x-1=0\) または \(x^2+2x+2=0\)

\(x+1=0\) から \(x=-1\)

\(2x-1=0\) から \(x=\frac{1}{2}\)

\(x^2+2x+2=0\) から

\(x=\displaystyle\frac{-2\pm 2i}{2}=-1\pm i\)

したがって、\(x=-1\), \(\displaystyle\frac{1}{2}\), \(-1\pm i\)

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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