期待値:\(E(X)=\displaystyle\sum_{k=1}^n x_kp_k\)
分散:\(V(X)=E(X^2)-\{E(X)\}^2\)
期待値と分散
確率変数 \(X\) : \(x_1\), \(x_2\), \(\cdots\), \(x_n\) に対して、対応する確率 \(P\) : \(p_1\), \(p_2\), \(\cdots\), \(p_n\) が存在する時、期待値と分散は以下のように求める。
期待値
\(E(X)=x_1p_1+x_2p_2+\cdots +x_np_n\)
\(=\displaystyle\sum_{k=1}^n x_kp_k\)
分散
\(E(X)=m\) とすると、
分散 \(V(X)=E((X-m)^2)\)
\(=(x_1-m)^2p_1+(x_2-m)^2p_2+\cdots +(x_n-m)^2p_n\)
\(=\displaystyle\sum_{k=1}^n(x_k-m)^2p_n\)
\(=E(X^2)-\{E(X)\}^2\)
標準偏差
\(\sigma (X)=\sqrt{V(X)}\)
期待値の例
あるゲームを例にして説明していきます。
\(\displaystyle\frac{1}{2}\) の確率で\(300\) 円、\(\displaystyle\frac{1}{3}\) の確率で \(600\) 円、\(\displaystyle\frac{1}{6}\) の確率で \(1200\) 円もらえるゲームを考える。
期待値とは、ある事柄に対してどれくらいの価値が得られる見込みがあるかを数値化したものです。ゲームセンターやパチンコなどは \(1000\) 円で \(1000\) 円以下の期待だから運営側が得をするわけですね。
\(300\) 円 | \(600\) 円 | \(1200\) 円 |
\(\displaystyle\frac{1}{2}\) | \(\displaystyle\frac{1}{3}\) | \(\displaystyle\frac{1}{6}\) |
このような表を作成する。このとき、\(300\) 円, \(500\) 円, \(1200\) 円の部分を確率変数と呼びます。
あとは、縦同士で掛け算してそれぞれを足し算するだけです。
\(300\times\displaystyle\frac{1}{2}+600\times\displaystyle\frac{1}{3}+1200\times\displaystyle\frac{1}{6}\)
\(=150+200+200=550\)
期待値と分散の問題
\(A\) のゲームは \(5\) 枚の \(100\) 円硬貨を同時に投げた時、表の出た硬貨をもらえる。\(B\) のゲームは \(1\) つのさいころを投げて、\(3\) 以上の目が出るとその目の枚数だけの \(100\) 円硬貨をもらえ、\(2\) 以下の目が出るとその目の枚数だけの \(100\) 円硬貨を支払う。\(A\), \(B\) どちらのゲームに参加する方が有利か。
>>詳細はこちらから
(解説)
▼「\(A\) のゲーム」
表が \(0\) 枚:\(\big(\displaystyle\frac{1}{2}\big)^5=\frac{1}{32}\)
表が \(1\) 枚:\({}_5C_1\big(\displaystyle\frac{1}{2}\big)\big(\frac{1}{2}\big)^4=\frac{5}{32}\)
表が \(2\) 枚:\({}_5C_2\big(\displaystyle\frac{1}{2}\big)^2\big(\frac{1}{2}\big)^3=\frac{10}{32}\)
表が \(3\) 枚:\({}_5C_3\big(\displaystyle\frac{1}{2}\big)^3\big(\frac{1}{2}\big)^2=\frac{10}{32}\)
表が \(4\) 枚:\({}_5C_4\big(\displaystyle\frac{1}{2}\big)^4\big(\frac{1}{2}\big)=\frac{5}{32}\)
表が \(5\) 枚:\(\displaystyle\big(\frac{1}{2}\big)^5=\frac{1}{32}\)
もらえる金額(円) | 0 | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 | 合計 |
確率 | \(\displaystyle\frac{1}{32}\) | \(\displaystyle\frac{5}{32}\) | \(\displaystyle\frac{10}{32}\) | \(\displaystyle\frac{10}{32}\) | \(\displaystyle\frac{5}{32}\) | \(\displaystyle\frac{1}{32}\) | 1 |
期待値 \(=0\times\displaystyle\frac{1}{32}+100\times\frac{5}{32}+200\times\frac{10}{32}\)
\(+300\times\frac{10}{32}+400\times\frac{5}{32}+500\times\frac{1}{32}\)
\(=\displaystyle\frac{500+2000+3000+2000+500}{32}=\frac{500}{2}\)
\(=250\) 円
▼「\(B\) のゲーム」
得られる金額(円) | -100 | -200 | 300 | 400 | 500 | 600 | 合計 |
確率 | \(\displaystyle\frac{1}{6}\) | \(\displaystyle\frac{1}{6}\) | \(\displaystyle\frac{1}{6}\) | \(\displaystyle\frac{1}{6}\) | \(\displaystyle\frac{1}{6}\) | \(\displaystyle\frac{1}{6}\) | 1 |
期待値 \(=-100\times\displaystyle\frac{1}{6}+(-200)\times\frac{1}{6}+300\times\frac{1}{6}\)
\(+400\times\frac{1}{6}+500\times\frac{1}{6}+600\times\frac{1}{6}\)
\(=\displaystyle\frac{-100-200+300+400+500+600}{6}\)
\(=\frac{1500}{6}=250\) 円
期待値はお互いに \(250\) 円のため、\(A\), \(B\) どちらのゲームに参加しても同じ。
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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