公式 ① \(A\) か \(B\) の一方を変形して証明する
公式 ② 両辺 \(A\), \(B\) をそれぞれ変形して証明する
公式 ③ 右辺を \(0\) にして、\(A-B=0\) であることを証明する
条件のある等式の証明
今回は等式の証明でも比較的わかりやすい問題を紹介します。
基本的に条件式がある場合は、それをどのように使うかがわかれば大体の問題に対応でき、そしてその方法はある程度パターンがあります。
では、実際に問題を一緒に見ていきましょう。
条件のある等式の証明(問題)
\(a+b+c=0\) のとき、次の等式を証明しなさい。
\(a^3+b^3+c^3=3abc\)
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条件のある等式の証明(答案の例)
解き方①
\(a+b+c=0\) より、 \(c=-a-b\)
よって、
\(a^3+b^3+c^3-3abc\)
\(=a^3+b^3+(-a-b)^3-3ab(-a-b)\)
\(=a^3+b^3-a^3-3a^2b-3ab^2-b^3+3a^2b+3ab^2\)
\(=0\)
ゆえに、\(a^3+b^3+c^3=3abc\)
解き方②
等式を変形して、\(a^3+b^3+c^3-3abc=0\)
この左辺を \(P\) とすると、
\(P=a^3+b^3+c^3-3abc\)
\(=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ac)\)
\(a+b+c=0\) より、\(P=0\)
ゆえに、\(a^3+b^3+c^3=3abc\)
条件のある等式の証明(解説)
条件式の使い方は、だいたいある文字について解き、それを代入して等式を証明していく流れが一般的です。解き方②が少し思いつきにくいですが、いろいろな方向からのアプローチを知っておくことは、応用力をつけることに直結するため、紹介しておきますね。
まず解き方①では、\(c\) について解き、 \(c\) に代入するという解き方です。
解答例では、\(3abc\) を左辺に移行して、右辺を\(0\) にしてから、左辺の \(0\) を導く方法で証明していますが、\(a^3+b^3+c^3\)と\(3abc\)に各々 \(c\) を代入して両辺のイコール関係を証明しても良いです。
\(c\)を移項すると、\(c=-a-b\)になるため、これを純粋に代入し、
\(a^3+b^3+c^3-3abc\)
\(=a^3+b^3+(-a-b)^3-3ab(-a-b)\)
\(=a^3+b^3-a^3-3a^2b-3ab^2-b^3+3a^2b+3ab^2\)
\(=0\)
となります。ここまでは普通に解き方です。
次に、解き方②について紹介します。
\(a+b+c=0\) をそのまま使っていくやり方です。
この式の意味は、 \(a+b+c\) があれば、 \(0\) に置き換えても良いということですね。連立方程式の代入法と同じ考え方ですね。
ということで、まずは \(a+b+c\) を式の中に作り出すことから始めます。
\(3abc\) を移項して、左辺を\(a^3+b^3+c^3-3abc\)とするところまでは同じです。
ここで左辺を因数分解します。
\(a^3+b^3+c^3-3abc\)
\(=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ac)\)
これを思いつくのが非常に難解なので、一般的な解き方ではないと言えます。思いつく際のヒントとしては、因数分解を使うこと、 \(a+b+c\) は出てくるであろうことです。
あとは、\(a+b+c\) の部分に条件式を代入すれば、
\((a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ac)\)
\(=0 \times (a^2+b^2+c^2-ab-bc-ac)\)
\(=0\)
となり、証明完了です。
基本は解き方①がメイン、もしもうまくいかなければ、別の方向からのアプローチが必要となるわけですが、そのときに解き方②を知っておけば、ある程度難問にも立ち向かえるでしょう。
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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