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【複素数平面】複素数の極形式と乗法、除法

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

複素数の極形式と乗法、除法

極形式

これまで複素数と言えば、\(a+bi\) と表していたと思いますが、実は別の表し方があります!

それが、\(z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\) です。\(r\) や \(\theta\) が与えられている場合は

ここからこの式について詳しく解説していきます。

複素数平面上で、\(0\) でない複素数 \(z=a+bi\) を表す点を \(P\) とする。\(OP=r\), 半直線 \(OP\) を動径と考えて、動径 \(OP\) の表す角を \(\theta\) とすると、

 \(\alpha=r\cos\theta\), \(b=r\sin\theta\)

であるから、

 \(z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\) [\(r>0\)] \(\cdots\) ①

① を複素数 \(z\) の極形式という。このとき、\(r=|z|\) また、\(\theta\) を \(z\) の偏角といい \(\arg z\) で表す。特に、\(|z|=1\) のとき、

\(z=\cos\theta+i\sin\theta\)

複素数の乗法、除法

ここからは複素数同士の乗法(かけ算)、除法(割り算)について説明していきます!

\(z_1=r_1(\cos\theta_1+i\sin\theta_1)\),

\(z_2=r_2(\cos\theta_2+i\sin\theta_2)\) [\(r_1>0\), \(r_2>0\)]

とする。

① 複素数 \(z_1\), \(z_2\) の積の極形式

 \(z_1z_2=r_1 r_2\{\cos(\theta_1+\theta_2)+i\sin(\theta_1+\theta_2)\}\)

 \(|z_1z_2|=|z_1||z_2|\), \(\arg(z_1z_2)=\arg z_1+\arg z_2\)

② 複素数 \(z_1\), \(z_2\) の商の極形式

 \(\displaystyle\frac{z_1}{z_2}=\frac{r_1}{r_2}\{\cos(\theta_1-\theta_2)+i\sin(\theta_1-\theta_2)\}\)

 \(\big|\displaystyle\frac{z_1}{z_2}\big|=\frac{|z_1|}{|z_2|}\), \(\arg\displaystyle\frac{z_1}{z_2}=\arg z_1-\arg z_2\) (\(z_2\neq 0\))

複素数の乗法と回転

複素数平面上で、\(P(z)\) とするとき、

 点 \(r(\cos\theta+i\sin\theta)\cdot z\)

は、点 \(P\) を原点 \(O\) を中心として角 \(\theta\) だけ回転し、\(OP\) を \(r\) 倍に拡大(縮小)した点である。

複素数の極形式と乗法、除法(例題)

(例題①)

次の複素数を極形式で表せ。ただし、偏角 \(\theta\) は \(0\leq \theta \leq 2\pi\) とする。

(1) \(-1+\sqrt{3}i\)
(2) \(-2i\)

(解説)

(1) \(-1+\sqrt{3}i\)

\(|-1+\sqrt{3}|=\sqrt{(-1)^2+(\sqrt{3})^2}=2\)

図より、\(\cos\theta=-\displaystyle\frac{1}{2}\), \(\sin\theta=\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}\)

\(0\leq\theta<2\pi\) であるから \(\theta=\displaystyle\frac{2}{3}\pi\)

よって、

\(-1+\sqrt{3}i=2\big(\cos\displaystyle\frac{2}{3}\pi+i\sin\frac{2}{3}\pi\big)\)

(2) \(-2i\)

\(|-2i|=\sqrt{(-2)^2}=2\)

図より、\(\cos\theta=0\), \(\sin\theta=-1\)

\(0\leq\theta<2\pi\) であるから \(\theta=\displaystyle\frac{3}{2}\pi\)

よって、

\(-2i=2\big(\cos\displaystyle\frac{3}{2}\pi+i\sin\theta\frac{3}{2}\pi\big)\)

(例題②)

\(\alpha=2+2i\), \(\beta=1-\sqrt{3}i\) のとき、\(\alpha\beta\), \(\displaystyle\frac{\alpha}{\beta}\) をそれぞれ極形式で表せ。ただし、偏角 \(\theta\) は \(0\leq\theta<2\pi\) とする。

(解説)

\(\alpha=2\sqrt{2}\big(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}+\frac{1}{\sqrt{2}}i\big)\)

 \(=2\sqrt{2}\big(\cos\displaystyle\frac{\pi}{4}+i\sin\frac{\pi}{4}\big)\)

\(\beta=2\big(\displaystyle\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2}i\big)\)

 \(=2\big(\cos\displaystyle\frac{5}{3}\pi+i\sin\frac{5}{3}\pi\big)\)

よって、

\(\alpha\beta=2\sqrt{2}\cdot 2\big\{\cos\big(\displaystyle\frac{\pi}{4}+\frac{5}{3}\pi\big)+i\sin\big(\frac{\pi}{4}+\frac{5}{3}pi\big)\big\}\)

\(=4\sqrt{2}\big(\cos\displaystyle\frac{23}{12}\pi+i\sin\frac{23}{12}\pi\big)\)

 \(\displaystyle\frac{\alpha}{\beta}=\frac{2\sqrt{2}}{2}\big\{\cos\big(\frac{\pi}{4}-\frac{5}{3}\pi\big)+i\sin\big(\frac{\pi}{4}-\frac{5}{3}\pi\big)\big\}\)

\(=\sqrt{2}\big\{\cos\big(-\displaystyle\frac{17}{12}\pi\big)+i\sin\big(-\frac{17}{12}\pi\big)\big\}\)

\(-\displaystyle\frac{17}{12}\pi=\frac{7}{12}\pi+2\pi\times (-1)\) から、

 \(\displaystyle\frac{\alpha}{\beta}=\sqrt{2}\big(\cos\displaystyle\frac{7}{12}\pi+i\sin\frac{7}{12}\pi\big)\)

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

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