メニュー
yu-to
管理者
本ブログを運営しているyu-toと申します。

高校数学の解説や公務員試験問題の解説、データサイエンスについての記事を書いていきます!

「データサイエンス×教育」に興味があり、日々勉学に励んでいます。

少しでも役に立つ情報の発信をしていきますのでぜひ読んでください。

また、同志からのお声がけはとても励みになります。ぜひ、コメントやメール、SNS等でご連絡ください!
カテゴリー
統計学初学者サポートこちらをクリック

【複素数平面】ド・モアブルの定理

目次

データアナリストへの道

少し数字に強い理系大学卒から駆け出しデータアナリストになるまでに、実際に読んだ50冊以上の本から厳選して、基本的な理論から実践的スキルまでを身につけられるようにデータ分析初学者向けにまとめました。>>記事を読む

ド・モアブルの定理

今回は複素数を \(2\) 乗、\(3\) 乗したときにどういう振る舞いをするかを解説していきます。

直感的に理解できる振る舞いをするので安心して読んでいってくださいね!

ド・モアブルの定理

\(n\) が整数のとき、

 \((\cos\theta+i\sin\theta)^n=\cos n\theta+i\sin n\theta\)

\(1\) の \(n\) 乗根 \(n\)は自然数とする。

① \(1\) の \(n\) 乗根(すなわち、方程式 \(z^n=1\) の解)は、次の \(n\) 個の複素数である。

 \(z_k=\cos\displaystyle\frac{2k\pi}{n}+i\sin\frac{2k\pi}{n}\) (\(k=0\), \(1\), \(2\), \(\cdots\), \(n-1\))

② \(n\geq 3\) のとき、複素数平面上で、\(z_k\) を表す点は、点 \(1\) を \(1\) つの頂点として、単位園に内接する正 \(n\) 角形の各頂点である。

〈ド・モアブルの定理 解説〉

\(z=\cos\theta+i\sin\theta\) とすると、

\(z^2=(\cos\theta+i\sin\theta)(\cos\theta+i\sin\theta)\)

 \(=\cos^2\theta+2i\sin\theta\cos\theta+i^2\sin^2\theta\)

 \(=\cos^2\theta-\sin^2\theta+i\cdot 2\sin\theta\cos\theta\)

加法定理より

\(\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta\), \(\cos 2\theta=\cos^2\theta-\sin^2\theta\) となるので、

 \(=\cos 2\theta+i\sin 2\theta\)

同様にして計算すると、

\(z^3=\cos 3\theta+i\sin 3\theta\)

となり、一般に、自然数 \(n\) について次の等式が成り立つ。

 \((\cos\theta+i\sin\theta)^n=\cos n\theta=i\sin n\theta\)

※ 厳密な証明ではないので注意

ド・モアブルの定理(問題)

次の式を求めなさい。

(1) \(\big(\cos\displaystyle\frac{\pi}{12}+i\sin\frac{\pi}{12}\big)^9\)

(2) \((1+\sqrt{3}i)^6\)

(3) \(\displaystyle\frac{1}{(1-i)^{10}}\)

(解説)

(1) \(\big(\cos\displaystyle\frac{\pi}{12}+i\sin\frac{\pi}{12}\big)^9\)

 \(\big(\cos\displaystyle\frac{\pi}{12}+i\sin\frac{\pi}{12}\big)^9\)

\(=\cos\big(9\times\displaystyle\frac{\pi}{12}\big)+i\sin\big(9\times\frac{\pi}{12}\big)\)

\(=\cos\displaystyle\frac{3}{4}\pi+i\sin\frac{3}{4}\pi\)

\(\displaystyle\frac{3}{4}\pi=135^{\circ}\)

\(=-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}+\frac{1}{\sqrt{2}}i\)

(2) \((1+\sqrt{3}i)^6\)

\(\displaystyle\frac{1}{2}=\cos\frac{\pi}{3}\), \(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}=\sin\frac{\pi}{3}\) を目指して式変形していく。

 \(1+\sqrt{3}i=2\big(\displaystyle\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i\big)\)

\(=2\big(\cos\displaystyle\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}\big)\)

よって、

 \((1+\sqrt{3}i)^6\)

\(=\big\{2\big(\displaystyle\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i\big)\big\}^6\)

\(=\big\{2\big(\cos\displaystyle\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}\big)\big\}^6\)

\(=2^6\big\{\cos\big(6\times\displaystyle\frac{\pi}{3}\big)+i\sin\big(6\times\frac{\pi}{3}\big)\big\}\)

\(=2^6\big(\cos2\pi+i\sin2\pi\big)=2^6\cdot 1=64\)

(3) \(\displaystyle\frac{1}{(1-i)^{10}}\)

\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=\cos\frac{\pi}{4}\), \(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=\sin\frac{\pi}{4}\) を目指して式変形していく。

 \(1-i=\sqrt{2}\big(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}-\frac{1}{\sqrt{2}}i\big)\)

\(=\sqrt{2}\big\{\cos\big(-\displaystyle\frac{\pi}{4}\big)+i\sin\big(-\frac{\pi}{4}\big)\big\}\)

よって、

 \(\displaystyle\frac{1}{(1-i)^{10}}=(1-i)^{-10}\)

\(=(\sqrt{2})^{-10}\left[\cos\big\{(-10)\times\big(-\displaystyle\frac{\pi}{4}\big)\big\}+i\sin\big\{(-10)\times\big(-\frac{\pi}{4}\big)\big\}\right]\)

\(=2^{-5}\big(\cos\displaystyle\frac{5}{2}\pi+i\sin\frac{5}{2}\pi\big)=2^{-5}\cdot i=\displaystyle\frac{1}{32}i\)

おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

このブログは統計学を学びたい学生/社会人向けに記事を書いています。

【最新】こちらの記事がおすすめ!

>>

  • URLをコピーしました!
目次