9人を3人ずつ3組に分ける
今回は \(9\) 人を \(3\) 人の \(3\) 組に分ける組合せの問題です。
\(9\) 人を \(3\) 人に分けるときの注意点は、分けた \(3\) 人組のグループ \(3\) つを並べるかどうかです。
次の①と②を見てみましょう。
① \(9\) 人をチーム \(A\), \(B\), \(C\) の \(3\) 人ずつに分ける
⇒ どのチームになるか+どの\(3\) 人になるか
② \(9\) 人を3人ずつに分ける(だけ)
⇒ どの\(3\) 人になるかだけ
①と②は計算方法が異なります。以上の注意点を意識しながら問題を見てましょう!
3人ずつ3組に分ける(問題)
\(9\) 人を次のように分ける方法は何通りあるか?
( \(1\) ) \(3\) 人ずつ \(A\), \(B\), \(C\) の \(3\) グループに分ける
( \(2\) ) \(3\) 人ずつ \(3\) グループに分ける
>>詳細はこちらから
3人ずつ3組に分ける(答案の例)
( \(1\) )
\(9\) 人から \(3\) 人を選ぶ方法は、\({}_9C_3\)
残り \(6\) 人から \(3\) 人を選ぶ方法は、\({}_6C_3\)
残り \(3\) 人から \(3\) 人を選ぶ方法は、\({}_3C_3\)
よって、
\({}_9C_3\times {}_6C_3\times {}_3C_3=1680\)
( \(2\) )
\({}_9C_3\times {}_6C_3\times {}_3C_3\div 3!=1680\div 6=280\)
3人ずつ3組に分ける(解説)
( \(1\) )
まず解く際に、日常的なイメージを添えて考えていきましょう。
\(9\) 人の生徒が、\(A\) 、\(B\) 、\(C\) の \(3\) グループに分かれて午後から球技大会をします。お昼ご飯を食べるところから球技大会の日程が始まりますが、次の条件のもと、それぞれがお昼ご飯を獲得できることとします。
・最初に同時に選ばれた \(3\) 人を \(A\) グループとし、このグループは焼肉弁当を食べる
・次に同時に選ばれた \(3\) 人を \(B\) グループとし、このグループは焼き魚定食を食べる
・最後に残った \(3\) 人を \(C\) グループとし、このグループは親子どんぶりを食べる
この場合、誰と一緒のグループになるかというドキドキのほかに、どのタイミングで選ばれるかもとても重要になってきます。
たとえば、焼肉弁当が食べたいなら、あなたは最初の \(3\) 人に選ばれることを祈るでしょう。
球技大会前日、帰りの会にて、先生が生徒の名前が書かれた紙が入った箱をもって、教室に現れます。
いよいよグループのメンバーとお昼ご飯が決定するときです!
まず、 \(9\) 人の中から同時に \(3\) 人をランダムに選び出し、\({}_9C_3\)
この生徒たちは焼肉弁当組です。
次に、残った \(6\) 人の中から同時に \(3\) 人をランダムに選び出し、\({}_6C_3\)
この生徒たちは焼き魚定食組です。
最後に、残った \(3\) 人の中から同時に \(3\) 人をランダムに選び出し、\({}_3C_3\)
(選ぶ必要はありませんが、一応式を書いておきますね)
この生徒たちは親子どんぶり組です。
つまり、上記の \(3\) つを掛け合わせ、
\({}_9C_3\times {}_6C_3\times {}_3C_3=1680\)
となります。
( \(2\) )
( \(1\) )と同じシチュエーションで考えていきましょう。
しかし今回は少し状況が異なり、午後から始まることは同じなのですが、お昼ご飯を各自で食べてからの開催とします。
つまり気になるのは、誰が同じグループのメンバーになるかだけです。
今回の問題では、同時に \(3\) 人ずつ選んでいる設定なので、合計で \(3\) 回分くじを引くことになりますが、( \(2\) )のシチュエーションでは、いつ選ばれるかは関係ありません。
たとえ最後の \(3\) 人に自分が残ったとしても、運動神経抜群の生徒が一緒に残っていれば、あなたは勝ちを確信することでしょう。
よって( \(2\) )の場合、( \(1\) )では別々のものだと認識されていた、最初に選ばれる、最後まで残るといった順番が関係なくなり、考える必要がなくなります。
つまり、 \(9\) 人を \(a\), \(b\), \(c\), \(d\), \(e\), \(f\), \(g\), \(h\), \(i\) と置くと、たとえば選ばれる順番を考慮した、
最初, 次, 最後
① \(abc\), \(def\), \(ghi\)
② \(abc\), \(ghi\), \(def\)
③ \(def\), \(abc\), \(ghi\)
④ \(def\), \(ghi\), \(abc\)
⑤ \(ghi\), \(abc\), \(def\)
⑥ \(ghi\), \(def\), \(abc\)
という①〜⑥は、全て同じ並び順と考えることができるわけです。
これは、\(abc\), \(def\), \(ghi\) のかたまりをランダムに並べている作業に等しいため、\(3!\) 通りのパターンがあると導くことができます。
こういった被りは、\(abc\), \(def\), \(ghi\) の組み合わせ以外にもあり、それぞれが \(3!\) 通りだけあることになります。
よって、( \(1\) )の結果からこれらの被りを削り、
\({}_9C_3\times {}_6C_3\times {}_3C_3\div 3!=1680\div 6=280\)
が最終的な答えとなります。
おわりに
今回は、 \(9\) 人を \(3\) 人の \(3\) 組に分ける組合せの問題でした。
組合せに似たものに「順列」という単元もあります。
この二つの違いを明確にするのが、場合の数の最初の難関になると思います。
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
【最新】こちらの記事がおすすめ!