〈独立試行〉
\(2\) つの独立な試行 \(S\), \(T\) において、\(S\) では事象 \(A\) が起こり、\(T\) では事象 \(B\) が起こるとすると、
$$P(A\cap B)=P(A)\cdot P(B)$$
が成り立つ。
直感的に判断するならば「\(2\) つの試行が無関係(影響を及ぼし合わない)」とき、独立だと判断できます!
独立試行とは
今回は独立試行について解説していきます。
独立試行の考え方を用いた問題はセンター試験(現在は共通テスト)にも多く出題されます。実際に出題された問題も解説していますのでぜひ最後まで見てください!
〈独立試行〉
\(2\) つの独立な試行 \(S\), \(T\) において、\(S\) では事象 \(A\) が起こり、\(T\) では事象 \(B\) が起こるとすると、
\(P(A\cap B)=P(A)\cdot P(B)\)
が成り立つ。
直感的に判断するならば「\(2\) つの試行が無関係(影響を及ぼし合わない)」とき、独立だと判断できます!
独立試行の繰り返しを反復試行という。反復試行についての解説はこちらです!
〈センター試験で実際に扱われた問題〉
2002年度数学ⅠA追試験第1問(2)
\(A\), \(B\) の二人がそれぞれ袋を持っている。\(A\) の袋には黒玉が \(3\) 個と白玉 \(2\) 個、\(B\) の袋には黒玉が \(2\) 個と白玉が \(3\) 個入っている。
(1) \(A\), \(B\) がそれぞれ自分の袋から同時に \(1\) 個ずつ弾を取り出す。同じ色の球が取り出せれば \(A\) の勝ち、そうでなければ \(A\) の負けとする。\(A\) が勝つ確率を求めなさい。
独立試行の例題と解説
例題
赤玉3個、青玉7個入った袋から、\(X\) さん, \(Y\) さんがこの順番に1個の玉を取り出すとき、\(X\) さん, \(Y\) さん がともに赤玉を引く確率を求める。
(1) \(X\) さんが取り出した後、袋に戻して \(Y\) さんが取り出す。
(2) \(X\) さんが取り出した後、袋に戻さずに \(Y\) さんが取り出す。
>>詳細はこちらから
解説
\(X\) さんが1個の玉を取り出すという試行を \(S\)、
\(Y\) さんが1個の玉を取り出すという試行を \(T\) とする。
\(S\) では、赤玉を引くという事象 \(A\)
\(T\) では、赤玉を引くという事象 \(B\) が起こったとする。
(1) \(X\) さんが取り出した後、袋に戻す場合
\(X\) さんが赤玉を取り出す確率は、\(\displaystyle\frac{3}{10}\)
\(X\) さんは袋に戻すので、袋の中の玉の数はリセットされます。
\(Y\) さんが赤玉を取り出す確率は、\(\displaystyle\frac{3}{10}\)
よって、\(\displaystyle\frac{3}{10}\times \displaystyle\frac{3}{10}=\displaystyle\frac{9}{100}\)
(2) \(X\) さんが取り出した後、袋に戻さない場合
\(X\) さんが赤玉を取り出す確率は、\(\displaystyle\frac{3}{10}\)
\(X\) さんは袋に戻さないので、袋の中の玉の数は変化しています。
図
図のように、\(Y\) さんは、赤玉が一つ少ない状態の袋から赤玉を引きます。
\(Y\) さんが赤玉を取り出す確率は、\(\displaystyle\frac{2}{9}\)
よって、\(\displaystyle\frac{3}{10}\times \displaystyle\frac{2}{9}=\displaystyle\frac{6}{90}=\displaystyle\frac{1}{15}\)
独立試行の考え方を用いたセンター試験の過去問
〈センター試験で実際に扱われた問題〉
2002年度数学ⅠA追試験第1問(2)
\(A\), \(B\) の二人がそれぞれ袋を持っている。\(A\) の袋には黒玉が \(3\) 個と白玉 \(2\) 個、\(B\) の袋には黒玉が \(2\) 個と白玉が \(3\) 個入っている。
(1) \(A\), \(B\) がそれぞれ自分の袋から同時に \(1\) 個ずつ弾を取り出す。同じ色の球が取り出せれば \(A\) の勝ち、そうでなければ \(A\) の負けとする。\(A\) が勝つ確率を求めなさい。
(解説)
\(A\) が袋から \(1\) つ玉を取り出す試行と \(B\) が袋から \(1\) つ玉を取り出す試行はお互いに影響を及ぼし合いません。つまり、\(A\) が引いた玉によって \(B\) が袋から取り出す玉の種類が変わることはないので、この \(2\) つの試行は独立である。
\(A\) が勝つためには、同じ色が取り出される必要があります。そこで以下のように場合分けをして考えていきましょう。
[1] \(A\), \(B\) が白玉を取り出すとき
\(A\) が白玉を取り出す:\(\frac{2}{5}\)
\(B\) が白玉を取り出す:\(\frac{3}{5}\)
\(2\) つの試行は独立であることから、\(2\) つの確率は掛け算します。
よって、\(\displaystyle\frac{2}{5}\times\frac{3}{5}=\frac{6}{25}\)
[2] \(A\), \(B\) が黒玉を取り出すとき
\(A\) が黒玉を取り出す:\(\frac{3}{5}\)
\(B\) が黒玉を取り出す:\(\frac{2}{5}\)
\(2\) つの試行は独立であることから、\(2\) つの確率は掛け算します。
よって、\(\displaystyle\frac{2}{5}\times\frac{3}{5}=\frac{6}{25}\)
[1], [2] は「または」で表されるので、
\(\displaystyle\frac{6}{25}+\frac{6}{25}=\frac{12}{25}\)
最後の足し算の部分が理解できなかった人はこちらがおすすめです!
おわりに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
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